日立のAIによる助言の例
社内の誰と、いつ、どのくらい話せば幸福感が高まるか、AIが助言

人工知能技術(AI)を生かして、働く人の幸福感を高めるために有効な助言をするシステムを、日立製作所が開発した。すでに日立グループの営業部門約600人を対象に実験を始めたそう。

まず社員それぞれに名札型ウエアラブルセンサーを配布。ふだんから仕事でどんな行動をとっているかを追跡、データとして把握し、日立のAI技術で分析する。


名札型ウエラブルセンサー
名札型のウエラブルセンサーを配布

センサーを装着したようす
社員のふだんの職場での行動をデータとして把握

その結果をもとに「Aさんとの5分以下の短い会話を増やしましょう」「上司のBさんに会うには午前中がおすすめです」など職場でのコミュニケーションや時間の使い方に関する助言を発する。

社員はスマートフォンやタブレットから日々の助言を確認できる。

スマートフォンから助言を確認しているイメージ
スマートフォンなどで実際に助言に従ったかどうかを確認する仕組み

会話をすべき時間帯は始業前、午前、午後のいつか、会話の長さは5分かあるいは30分以上か、会話に加わる人数はどれくらいであるべきか、などなど細かい指定があり、実際に会話したかどうかを確認する仕組みもあるもよう。

日立はこれまで、社員の幸福感を高めるという課題をもとに、三菱東京UFJ銀行や日本航空など13社で実証実験またはシステム導入を行っている。コールセンターでの実験ではスタッフの「平均ハピネス度」が高めの日は低めの日に比べて 1日あたりの受注率が34%高いことが分かるなど、幸福感が生産性に大きく影響すること実証したという。

日立は営業部門での実験結果を検証し、その成果を取り込みながら、こうしたサービスの展開を加速させていくとしている。