セキュリティフォルダーにバックアップ
ランサムウエア対策に自動バックアップなどの対策機能が台頭

ひとたびPCなどに感染すると、中身を暗号化して「人質」にし、もとに戻したければ身代金を払えと要求する「ランサムウエア」。個人だけでなく法人でも多くの被害が発生している。対策としてセキュリティ企業も新機能を投入し始めた。

アルプス システム インテグレーション(ALSI)が開発している情報漏洩(ろうえい)対策製品「InterSafe ILP」の最新版「Ver. 5.0」もそのひとつ。

InterSafe ILPはいくつかのアプリケーションで構成しており、その中でもファイル自動暗号化をつかさどる「InterSafe IRM」が持つ「自動バックアップ機能」がランサムウエア対策のかなめになっている。

InterSafe ILPの最新版を導入したPCでは、文書や画像などを保存すると、自動で「バックアップ」と呼ぶ複製を作り、「セキュリティフォルダー」と呼ぶ場所に保存する。

セキュリティフォルダーに保存したものは専用ツールを利用しないと操作できないため、万が一ランサムウエアがPCなどに感染したとしても、勝手に暗号化して人質にとるのが困難になっている。

たとえもとの文書や画像が暗号化の被害に遭ったとしても、安全に保管しておいたバックアップをとりだして代わりに使えばよく、不当な身代金要求を恐れずに済む。

なおInterSafe ILPはほかにもいくつか改良点がある。

デバイス制御をつかさどる「InterSafe DeviceControl」では、FireEye社の標的型攻撃対策製品「NX」シリーズの連携機能を搭載した。NXシリーズが検知した未知のマルウエア(悪意あるアプリ)の情報をInterSafe DeviceControlに即時登録し、感染した機器をネットワークなどから隔離する。

InterSafe ILPの新機能
InterSafe DeviceControlの外部連携機能

また企業や組織の内部犯罪対策として、社員の役職などによってPC上の文書などのコピーや印刷を制御する機能も加わっている。例えば「役員」の場合は、内容を別ファイルにコピーすることや、印刷することができ、「マネージャー」や「一般」の場合は、印刷・コピーを禁止するなどの設定ができる。

InterSafe DeviceControlあ
PC上の文書などのコピーや印刷を制御する機能も

InterSafe ILPの対象は企業のほか官公庁、自治体、医療機関、学校などだ。

情報提供:アルプス システム インテグレーション