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クルマにLinuxとオープンソースを

カーナビゲーションシステムをはじめとする車載インフォテイメントシステムを、Linuxで開発するための基盤「Automotive Grade Linux Unified Code Base(AGL UCB) 3.0」が公開となった。Linux Foundationが発表した。

AGL UCBシリーズは過去1年間で3回、新版を公開したことになる。前回は7月。自動車業界がLinuxのようなオープンソースの開発手法を採用することで、頻繁な更新と新機能による改革が可能になると、Linux Foundationは主張している。


まだ多くの自動車メーカーや部品メーカーが、車載インフォテインメントシステムのためにオープンソースではないシステムを利用しているが、移植や再利用に難がある。業界全体で1つのシステム基盤を共有すれば、こうした問題を解決できる、かもしれない。
 
その点でAGL UCB 3.0はナビゲーション、通信、安全性、セキュリティ、接続性を提供でき理想的だとか。主要機能は以下の通り。

まず画面にホームスクリーンとさまざまなウィンドウを表示し、各種のアプリケーションが動かせる。またカーナビはもちろん音楽・動画のプレーヤー、オーディオミキサー、チューナー、Bluetooth・WiFi接続、カーエアコン制御、車両制御などのリファレンスアプリも備える。

運転席周辺の計器類との連携、スマートフォンとの統合、バックカメラや後席ディスプレイとの接続も可能だ。ルネサスエレクトロニクスなど主要メーカーの車載電子部品に対応するほか「Raspberry Pi」などとも組み合わせられるそう。

AGL UCBを支援しているのはトヨタ自動車、マツダ、アイシン・エィ・ダブリュ、Continental、デンソー、HARMAN、パナソニック、Qualcomm、ルネサスエレクトロニクスなどだ。

2017年1月5日、6日にラスベガスで開催する電子機器の見本市「Consumer Electronics Show(CES)2017」ではAGL UCB 3.0のデモンストレーションが実施予定だ。