製品イメージ画像
RICOH R Development Kitのイメージ

周囲360度の映像を、24時間連続で生中継できる全天球ライブストリーミングカメラ「RICOH R Development Kit」を、リコーが2017年春に出荷開始する予定だ。

全天球ライブストリーミングとは、例えば自宅にいながら、どこか外国の海辺で昇る朝日を迎えたり、草原に沈む夕日を見送ったりできる仕組み。視点は自由に変えられ、後ろをふりかえったり、天をあおいだりして、あたかもその場にいるかのようにながめを楽しめる。


視界に広がるのは、CGで作った仮想現実(VR)ではなく、カメラで撮影している本物の風景で、時間とともにリアルタイムに変化し続けていく。

もちろん、そうした映像を視聴するためには、VRなどに使うのと同じゴーグルが必要。また映像を配信する側も周囲360度を一度に撮影できるカメラを使わねばならない。

RICOH R Development Kitは、この分野を盛り上げる新製品だ。すでに「Theta」など全天球カメラの開発実績があるリコーが独自技術を生かして作った。2K解像度、30fpsのなめらかさで周囲360度の映像をライブストリーミング可能だ。

カメラは撮影した内容を、全天球映像の標準データ形式であるEquirectangular Projection Formatへとリアルタイムに合成し、HDMIまたはUSBでつないだ外部機器へと出力する。ACアダプターを取り付ければ24時間連続稼動する。microSDHCメモリーカードを挿入して映像を保存することもできる。

ACアダプターを取り付けたカメラ
ACアダプターをとりつけて24時間のライブ配信が可能だ

エンターテインメントのほか、遠隔地のできごとをあたかもその場にいるかのように体験する「Telexistence(テレイグジスタンス)」技術や、カメラのとらえた映像をコンピューターが自動分析、判断する「CV(コンピュータービジョン)」技術での利用を見込む。

そのためリコーは新製品を用途開発向けのキットとして出荷するという。なお1月5日より米国ラスベガスで開催する電子機器関連イベント「CES2017」にも出展する。会場から実際に全天球ライブストリーミングを実施予定だ。公式サイトで確認されたい。

販売価格は未定。早ければ2月末からプレオーダーを受け付けることを検討しているが、詳細は追って明らかにするそう。