ガチャ人生のスクリーンショット
「ガチャ人生」。ガチャがすべてを決める社会

「ガチャ人生」というゲームが話題になっている。ソーシャルゲームの「ガチャ」があまりにも儲かるため、すべての企業が導入し、ガチャを引かないと生きることさえできない社会を描いた作品だ。

この奇妙な作品は、iPhone向けゲームをレビューする人気サイト「GameCast」が取り上げて注目を浴びた。

背景にあるのは日本の世相だ。クルマ、酒、ありとあらゆる消費に関して「若者の**離れ」が言われてひさしいが、iPhoneなどで手軽に遊べるソーシャルゲームは別。特に課金などにより無作為に架空のアイテムやキャラクターを入手できる「ガチャ」を採用したものは、驚くべき額の消費を促している。

ちまたの遊技や公営競技を代替するように若い世代に急速に広まり、Twitterなどインターネット上では多くの人がその話題で盛り上がる。

「ガチャ人生」は、そうした状況をさらに一歩進め、ガチャに注目したあらゆる企業がその仕組みを取り入れた世界を描く。

ゲーム中では例えば、アイスクリームがほしくても直接は買えない。代わりに「食べ物カード」を引く。好きなチョコレートのフレーバーが当たるとは限らない、バニラやイチゴになる場合もある。さらには衣服も、医療品さえもガチャで入手するしかない。ガチャにしくじると死ぬ場合もある。

ガチャ人生のスクリーンショット
ガチャにしくじると死ぬ場合もある

荒唐無稽な内容だが、不思議と心に訴えるところがある。ガチャに慣れた人からすると案外、魅力さえ感じるディストピア(反理想郷)かもしれない。

刑務所などの舞台装置も含め、どこか加藤伸吉・杉元伶一両氏による名作漫画「国民クイズ」をほうふつとさせる。そちらはテレビのクイズ番組に熱狂していたかつての日本の世相をもとに、すべてをクイズの勝者が決める社会を描いた作品で、そこに住む人の多くは暮らしを楽しんでさえいた。

ところでゲーム中の日本語の使い方はちぐはぐだ。開発者のXiaoyong Wang氏は、本人のTwitterを見る限り中国語と英語が主たる言語。ほかにも数本のゲームを公開している。

ガチャ人生は基本無料。iOS 9.1以降が入ったiPhoneやiPadで遊べる。Android版はないようす。