中国に建設する水素ステーション

中国の都市部では工場や暖房などと並んで自動車の排気ガスなどによる大気汚染が深刻だが、水素で走る日本の「MIRAI(ミライ)」は解決策に成りえるだろうか。

トヨタ自動車は、中国政府が進める「中国燃料電池自動車商業化発展促進プロジェクト」に加わり、今後3年間、ミライの実証実験を行う計画で、10月から2台を現地に導入予定だという。


中国では北京、上海、広州などの都市圏を中心に5か所の水素ステーションがあるが、実験に合わせ新たに江蘇省にあるトヨタの研究開発拠点「TMEC」に建設予定。実験は各地で行う。

ミライは走行時にCO2などを排出しない高い環境性能に加え、燃料補給にかかる時間が短く、航続距離が長いなど、ガソリンエンジン車に近い利便性がうり。2014年に発表後、累計3,000台を日本、米国、欧州で販売してきたが、今後中国にも広がる可能性がある。

トヨタはすでに中国でハイブリッド車「カローラハイブリッド」「レビンハイブリッド」を投入し、3月末時点で累計台数9万台を販売しているが、さらに電気自動車(EV)も数年以内に中国市場に導入する方針。

こうした日本の先進技術が、中国の大気汚染を和らげる特効薬になる、と期待したいところ。