昆虫決勝標本の写真
蝶の標本を明礬の結晶でおおった(出典:加藤水槽氏のTwitter)

まるでファンタジーの世界に登場するような、美しい「昆虫結晶標本」がインターネット上で話題になっている。

鉱石と昆虫。どちらも年若い頃、きれいな標本に夢中になり、化学や生物学に興味を持つきっかけになったという人は少なくないはずだ。それらが1つになったとしたらどうだろう。


昆虫結晶標本はそんな想像をかたちにしたかのようだ。普段は水槽を生かしたさまざまな作品を手掛ける、加藤水槽氏による新たな試み。4月末にTwitterに写真を投稿するや、瞬く間に注目を浴び、すでに2,000件以上ものリツイート(共有)がある。

昆虫結晶標本の写真
なんとも幻想的だ(出典:加藤水槽氏のTwitter)

昆虫結晶標本の写真
まだ研究段階で、とてももろいそう(出典:加藤水槽氏のTwitter)

加藤氏による説明は次の通りだ。「昆虫結晶標本というのができたらカッコ良いんじゃないかと思って作ってみた。明礬の結晶が蝶の標本から成長している。脆いしまだまだ研究段階だけど、明礬の防虫効果とかで標本の保護にも効果があったらいいな」


琥珀や地層の中にある化石が思い浮かぶ一方、人工物ならではの宝飾品のようなたたずまいもある。あるいは奈良の法隆寺が所蔵する国宝のひとつ、七色をした玉虫の羽を使った厨子(仏具の一種)のような、古くからの日本の工芸品につながる発想も感じられるだろうか。とにかく不思議な仕上がりだ。