大気を清浄化する自転車「Smog Free Bicycle」

オランダのアーチストDaan Roosegaarde氏を中心にしたデザイナー&エンジニアからなるチームは、中国北京に設置された「Smog Free Tower」の検証結果について公表した。

大気を清浄化する自転車「Smog Free Bicycle」
中国北京に設置された「Smog Free Tower」

「Smog Free Tower」は、「Smag Free」プロジェクトの一環として設置されたもの。高さ7メートル、直径3.5メートルの世界最大のアウトドア型“バキュームクリーナー”で、大気中の汚染物質を吸い込む目的で設置された。


中国北京に設置された「Smog Free Tower」
「Smog Free Tower」は、大気中の汚染物質を吸い込んでくれる
心なしか、汚れが目立つ場所もあるような?

今回発表されたのは、オランダのアイントホーフェン工科大学による調査結果。同大学はタワーの効果を検証し、タワーを中心とした直径20メートルの範囲内ではPM10を最大で45%、PM2.5を最大で25%減少させていることを明らかにした。

大気を清浄化する自転車「Smog Free Bicycle」
オランダのアイントホーフェン工科大学による調査結果

Daan Roosegaarde氏はまた、このテクノロジーを自転車に搭載した「Smog Free Bicycle」に関する構想を発表した。「Smag Free」プロジェクトを、さらに一歩前進させるものだという。

大気を清浄化する自転車「Smog Free Bicycle」
画像中央がDaan Roosegaarde氏

この自転車は汚染された大気を吸入して浄化し、サイクリストの周囲にクリーンな空気として提供する。これにより、サイクリストが清浄な空気を吸えるようになるだけでなく、「Smog Free Bicycle」が街中を大量に走るようになれば移動する「Smog Free Tower」として機能し、街の空気を浄化できるようになるという。

北京では自転車のシェアリングシステムの人気が高まっている。シェアサイクルに空気浄化システムを取り付ければ、人々がクルマに乗らずに、これまで以上にシェアサイクルを利用する動機付けになるのではないかとDaan Roosegaarde氏は語っている。

「自転車はかつて、北京の代名詞だった。私たちは中国文化の象徴である自転車をこの街に呼び戻し、スモッグのない街の実現に向けた次のステップとしたい」

現時点では、「Smog Free Bicycle」の詳細な仕様や導入時期について発表されてはいない。

大気を清浄化する自転車「Smog Free Bicycle」