Ambient OSの搭載機器
Ambient OSを搭載した家庭用アシスタント

Ambient(アンビエント)OSが話題だ。自宅をまるごと管理してくれるコンピューターシステムとして関心を集めている。

冷蔵庫、エアコン、照明、AV機器、調理器具。自宅にはさまざまな機械があり、それらをコンピューターシステムでまとめて管理すれば、スイッチを切り忘れたり、食べ物を切らしたり、消耗品が足りなくなったりといった問題を防げる。


新しい考えではなく、家庭用アシスタントという名前で、すでにさまざまな企業が機器を作っている。例えば最近は「Amazon Echo」とか「Google Home」が有名だ。まだできることは限られているが、進歩は早い。

Amazon Echoの製品画像
Amazon.comが作った「Amazon Echo」

Google Homeの製品画像
Googleの「Google Home」

そこへさらに登場した製品がEssential Home(エッセンシャルホーム)。多くのスマートフォンが頭脳として搭載するAndroid(アンドロイド)OSの生みの親というべき技術者Andy Rubin(アンディ・ルービン)氏が設立した企業が手掛けている。

Essential Homeが搭載する、頭脳にあたるのがAmbient OSだ。特徴はというと、開発元の言を信じれば「できるだけクラウドを使わないこと」。他社の製品がクラウドと呼ぶインターネットにつながったコンピューターシステムと活発に通信しながらはたらくのに対し、Ambient OSはできるだけ家庭内ですべてを完結しようとする。

理由はプライバシー。自宅で何が起きているかという情報を外に向かって送り続けるのはあまりよろしくない、と考えているようだ。

Ambient OSを搭載した家庭用アシスタントは今のところはEssential Homeだけだが、それは自宅の間取り、住んでいる人、家で契約しているさまざまなサービス、置いてある家電などを認識し、必要に応じて管理する。

といっても持ち主に断りなく、何かをすることはしない。クラウドにつながり、人工知能(AI)向け技術を応用したコンピューターシステムであれば、生活の中で次に何が必要かを予測して最適な手助けをすることも可能だし、他社の製品はある程度までそうしようとする。だがEssential Homeは提案をすることはあっても、必ず人間の決定を待ってから各種の機能をはたらかせる。

Ambient OSは、連携して動作するアプリケーションをほかの企業が作れるよう、開発キット(SDK)を公開予定だ。

なお、同時に同じ開発元からEssential Phoneというスマートフォンも発表になっているが、そちらはAmbient OSではなくAndroid OSを搭載している。