将棋の駒のイメージ
AI技術が発達しても、盤面競技の人気は衰えない?

6月21日に行った将棋の公式戦。「王将戦」1次予選で藤井聡太四段が、澤田真吾六段との対局を制した。プロ棋士としてのデビュー後負けなしの28連勝で、神谷広志八段が1987年に成し遂げた記録に並んだ。インターネット上では驚きの声が沸き起こっている。

囲碁では世界最強と目されていた中国の柯潔九段が、人工知能(AI)技術を応用したコンピューターシステム「AlphaGo(アルファ碁)」に敗北。将棋でも佐藤天彦名人がコンピューターシステム「PONANZA(ポナンザ)」に負け、盤面競技の世界に波紋を広げている。


しかしそうしたなかでも、若い才能の躍進は大きな注目を浴びる。藤井聡太四段は史上最年少となる14歳と2か月でプロ棋士に昇格し、世間の耳目を集めたが、その後破竹の勢いで勝利を重ね、将棋ファンのみならず幅広い層に名を知らしめた。

テレビ、新聞なども盛んに報道する一方、TwitterやFacebookといったSNSでもしばしば口の端にのぼるようになり、一部には熱狂と言っていいほどの支持がある。

プロさえAI技術に勝てなくなりつつある盤面競技は、次第に人気がかげってゆくのではないか、という懸念を打ち消すような盛り上がりだ。

日本将棋連盟も公式サイトで藤井氏の勝利を速報。同じく28連勝の記録を持つ神谷八段や羽生善治三冠、谷川浩司九段など名手のコメントをとるなどの力の入れようだ。次の対局は、6月26日竜王戦トーナメントの増田康宏四段の対局。藤井四段が制すれば29連勝となり、新記録となる。