ヒアリのイメージ
ヒアリ(出典:環境省)

危険な外来種「ヒアリ」が日本で相次ぎ見つかるなか、国土交通省は対策を拡大する。ヒアリの生息する国や地域と定期コンテナ航路で結ばれている国内68の港湾に殺虫エサの設置などを要請する。

南米原産のヒアリは毒針を持ち、刺されると激しい痛みがあるほか、アレルギー反応を引き起こし死にいたることもある。体長2~6mm。赤褐色の体に暗色の腹部を持つのが特徴だが、専門家でなければ正確に見分けるのは難しい。


アジアの複数の国に広がっており、5月には中国からの船便にまぎれたとおぼしきヒアリを国内で初めて確認。これまで神戸、名古屋、大阪、東京の各港で見つかり、特に大阪、神戸の両港では女王アリも出た。

国土交通省は7月4日に中国からの定期コンテナ航路を有する63の港湾に対策を要請していたが、今回は中国に限らずヒアリの生息する国または地域と定期コンテナ航路で結ばれている68港湾に拡大した。北は北海道から南は沖縄にまで及ぶ。

今後、環境省が用意する殺虫エサ(ベイト剤)を該当するコンテナを取扱うヤードなどへ設置するほか、目視によるヒアリの分布調査の実施を要請している。

大規模に殺虫エサの設置が進むとなると、少し気になるのはもともと日本にいるアリなど在来種への影響。この点について国土交通省に尋ねたところ、ヒアリ対策の重要性から設置を決めているが、関連事項については目下、環境省と調整中だそう。