スペースビューの登場

Googleマップのストリートビューで「国際宇宙ステーション(ISS)」を探索できるようになった。名付けて「スペースビュー」だ。

欧州宇宙機関 (ESA) のトマ・ペスケ宇宙飛行士が、フライトエンジニアとして国際宇宙ステーション (ISS) に6か月滞在して撮影したもの。


これまでほんの一握りの限られた人のみが訪れることができた ISS内部を、ストリートビューを使って誰もが自由に探索できるという。

無重力かつ宇宙空間における生活や作業の制約があるISSでは、Googleが通常用いる機材は役に立たなかった。そこでGoogleのストリートビューチームは米国航空宇宙局(NASA)と協力し、テキサス州ヒューストンのジョンソン宇宙センター、およびアラバマ州ハンツビルのマーシャル宇宙飛行センターで研究を進め、ISSにすでに搭載しているDSLRカメラなどの機器を使う方法を選んだ。これは成功し、ペスケ氏が撮影した写真は地球にデータとして送信すると、それらを貼り合わせてISSの360度パノラマ画像ができあがった。

撮影にあたっては十分な事前の対策を練ったそう。ISSでは複雑にレイアウトしたモジュールが上下左右あらゆる方向に接続してあり、内部にはいたるところに機材を設置し、多くの配線を張り巡らせ、 6人の乗組員が1日12時間、研究やメンテナンス活動を忙しく行っている。障害物が多く時間も限られている環境で計画通りにことを進められる確信が必要だったという。

大変な工夫と努力だったのが伝わって来る。もっとも、こうした人力の作業による苦労話は、いずれ過去のものになるかもしれない、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した球体ドローン「Int-Ball」は、地球からの遠隔操作でISSの無重力空間を自在にただよい、写真を撮影することが可能だ。

日本製ドローンの写真

従来、宇宙飛行士の作業時間の約10%程度を撮影作業が占めていたが、Int-Ballの活躍で最終的にはゼロに減らしたい考えという。

いずれはドローンが撮影した写真によって宇宙ステーションのようすが、地球からリアルタイムに見られるようになる日も来るかもしれない。