106年前のフルーツケーキ、発見される
106年前のフルーツケーキ
(画像提供:Antarctic Heritage Trust)

ニュージーランド クライストチャーチに本拠を置く非営利団体Antarctic Heritage Trustは、南極のアデア岬で106年前のフルーツケーキを発見したと発表した。食べても大丈夫な状態にあるという。

ケーキは英国の老舗ビスケットメーカー ハントレー・アンド・パーマーズのもので、さびたブリキの箱に、包装紙にくるまれた状態で入っていた。ブリキはひどい状態だったが、フルーツケーキの保存状態は良好だった。


106年前のフルーツケーキ(ブリキの箱入り状態)
フルーツケーキはこのブリキの箱の中に
(画像提供:Antarctic Heritage Trust)

106年前のフルーツケーキ(包装紙にくるまれた状態)
包装紙にくるまれたまま入っていた
(画像提供:Antarctic Heritage Trust)

同団体のプログラムマネージャであるLizzie Meek氏は、ケーキの状態を次のように説明している。

「ケーキからはほんの少しだけ、劣化したバターの匂いがした。だがそれ以外は見た目も匂いも、食べてよさそうに思えた。南極の気候が、ケーキの保存に貢献したことは疑いようもない」

Lizzie Meek氏によれば、南極探検においてはフルーツケーキは理想的な高エネルギーの食べ物で、現代でも極寒の地における探検で好まれているという。

フルーツケーキが発見されたのは、ノルウェーの探検家カルステン・ボルクグレヴィンク氏によって1899年に建てられた小屋。この小屋はのちに英国の探検家ロバート・スコットによって使用された。小屋の内部からはフルーツケーキのほか、106年前の肉や魚なども見つかっている。

106年前のフルーツケーキが発見された小屋
Antarctic Heritage Trustが調査を実施した小屋のひとつ
(画像提供:Antarctic Heritage Trust)

106年前のフルーツケーキ、発見される
小屋の内部 マッチも置かれている
(画像提供:Antarctic Heritage Trust)

Antarctic Heritage Trustは、フルーツケーキが入っていたブリキの箱には錆び取りなどの保存処置を施し、包装紙も修復した。だがフルーツケーキ自体には手を加えていないという。

もちろん、食べたりもしていないそうだ。