ガルウィングなユニバーサル小型モビリティ「TOYOTA Concept-愛i RIDE」など
ガルウィングな小型モビリティ「TOYOTA Concept-愛i RIDE」

トヨタは、人工知能により人を理解して成長するコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i(コンセプト・アイ)」シリーズの概要を発表した。既発表の四輪モデル「TOYOTA Concept-愛i」に加え、ガルウィングを採用したユニバーサル小型モビリティ「RIDE」と歩行領域のモビリティ「WALK」を新たに追加し、東京モーターショー2017に出展する。

「TOYOTA Concept-愛i」シリーズラインナップ
「TOYOTA Concept-愛i(コンセプト・アイ)」シリーズ

「TOYOTA Concept-愛i」シリーズのコンセプトは「more than a machine, a partner」。ドライバーを理解し、共に成長するパートナーとして、新しい時代の「愛車」となることを目指している。そのポイントは「人を理解する」技術、「安全・安心」技術、「新しいFun to Drive」技術の3つだ。


「人を理解する」技術では、表情・動作・声色からドライバーの感情や覚醒度などを認識する。また、車内での会話履歴などからドライバーの嗜好も推定する。この感情認識や嗜好推定といった「人を理解する」技術にはディープラーニングなどの技術が用いられている。

「安全・安心」技術では、クルマの周辺状況に加えて、「人を理解する」技術によりドライバーの状態を推定。ドライバーとクルマの信頼度をモニターする。例えば、クルマの信頼度が高く、ドライバーが危険な状態もしくはストレス状態にある場合、自動運転モードに切り替え、ドライバーを「安全・安心」に導く。また、ドライバーが眠気を感じているときは覚醒状態に、ドライバーがストレスを感じているときはリラックス状態に誘導し、ドライバーをサポートする。

「新しいFun to Drive」技術では、ドライバーの感情や嗜好に応じて、クルマが会話を誘導。ドライバーが興味のある話題をドライバーの気分に応じてクルマ側から提案するなど、従来にない双方向の自由会話を実現する。

既発表の「TOYOTA Concept-愛i」は、これら3つの技術が搭載された「TOYOTA Concept-愛i」シリーズを代表する四輪モデル。トヨタは2020年頃、今回の出展内容の一部を搭載した車両で日本における公道実証実験を計画している。

TOYOTA Concept-愛i
「TOYOTA Concept-愛i」シリーズを代表する四輪モデル「TOYOTA Concept-愛i」

シリーズに今回追加されるのは、車いすユーザーや高齢者などが自由に移動できるユニバーサル小型モビリティ「RIDE」と、歩行者と同じ空間を移動する歩行領域モビリティ「WALK」の2つ。いずれも、シェアリングサービスでの活用も想定して設計されたEVとなっている。

■RIDE
「TOYOTA Concept-愛i RIDE」は、車いすユーザーの使い勝手を追求した小型モビリティ。自動運転機能などにより、誰でも「安全・安心」に運転できるクルマの提供を目指す。

車いすユーザーにとって使い勝手のよいモビリティTOYOTA Concept-愛i RIDE
車いすユーザーにとって使い勝手のよいモビリティ「TOYOTA Concept-愛i RIDE」

大開口を確保できるガルウィングと乗降口にスライドする電動シートを採用。車いすユーザーが不安に感じる車いすからの乗降を容易にした。また、ガルウィングの開閉を利用して車いすの積み下ろしをサポートし、簡単に車いすを後部に収納できるようシートの作動などを工夫した。

TOYOTA Concept-愛i RIDE
ガルウィングと車いすが相性が良いとは!

ステアリングやアクセル/ブレーキペダルが不要なジョイスティックを採用、車両サイズは1台分の駐車スペースに駐停車し、車いすで乗降可能なサイズとしている。

TOYOTA Concept-愛i RIDE
ステアリングやアクセル/ブレーキペダルが不要なジョイスティックを採用

インストルメントパネルの大型ディスプレイには「TOYOTA Concept-愛i」シリーズの特徴である「人を理解する」エージェントを配置。バリアフリー情報などを提供し、快適な外出をサポートする。

TOYOTA Concept-愛i RIDE
バリアフリー情報などで快適な外出をサポート

走行時には運転席をセンターにレイアウトし、駐停車時は自動駐車や自動バレットパーキング機能により運転支援を行うなど、車いすユーザーのみならず高齢者など誰でも「安全・安心」に運転できるモビリティとした。

TOYOTA Concept-愛i RIDE
高齢者などにも「安全・安心」に運転できるモビリティ

■WALK
「TOYOTA Concept-愛i WALK」は、歩行空間に馴染むコンパクトなサイズと自動走行機能により、「安全・安心」に行動範囲を広げることができるモビリティ。全長を人の歩幅以下、全幅を人の肩幅以下におさえ、人が占有する面積と同等のコンパクトなパッケージとした。これにより、歩行者と同じ空間を安全に走行可能となった。

TOYOTA Concept-愛i WALK
歩行領域モビリティ「TOYOTA Concept-愛i WALK」

ハンドル部のセンサーなどからドライバーを理解し、状況に応じてドライバーを安全な状態に導く。走行時に危険を察知した場合、ドライバーに警告し、自動で回避する。さらに、速度に応じたホイールベース可変機構を採用し、停止時および走行時の安定性を確保した。

TOYOTA Concept-愛i WALK
ハンドル部のセンサーなどからドライバーを理解する

TOYOTA Concept-愛i WALK
速度に応じて、ホイールベース長が変化

体重移動ではなく、ステア操舵機能を採用することで、誰でも簡単に操作ができる仕様とした。また、大幅な低床化により、高齢者やスカートを着用した女性など、年齢や性別、服装の制約を受けず乗降・走行できるモビリティを実現した。

TOYOTA Concept-愛i WALK
大幅な低床化により、乗降しやすいモビリティを実現