スパコンのイメージ

日本のベンチャーが開発したスーパーコンピューター(スパコン)「暁光(Gyoukou)」が、国内1位の性能を達成した。ExaScalerとPEZY Computingが発表した。

ExaScalerは2014年、PEZY Computingは2010年設立の比較的若い企業。東京大学医学部附属病院の医師出身で、医療機器・システム開発などを手掛けた齊藤元章氏が率い、すでに理化学研究所などと組んでのスパコンの開発実績がある。


特に電気を通しにくい「絶縁性」の液体にスパコンを漬け、計算によって発生する熱を冷まし、高効率で稼働させる「液浸冷却」の技術で知られる。

両社が、日本政府の海洋研究開発機構(JAMSTEC)横浜研究所に5月に設置したスパコン「暁光(Gyoukou)」もその1つ。改良を進めた結果、 2017年6月時点のスパコン世界ランキングに照らして上位の性能を発揮できるようになったとする。

純粋な計算能力をみる「TOP500」では国内1位(世界6位)、省電力性などをみる「Green500」では世界1位に相当する水準。

ただし競合となるスパコンも性能を向上していたり、新顔が登場したりする可能性もあり、次の正式なランキング発表の際に必ずしもこれらの順位をそのまま反映するとは限らない。

ExaScalerとPEZY Computingは今回の成果を米国コロラド州・デンバーで開催するスパコンの国際会議「Supercomputing Conference(SC17)」で11月14日に発表する予定。