インフルエンザのイメージ

季節性インフルエンザの流行が始まる前に、予防接種をしようと考えている人にとってはとまどう事態だ。東京都ではワクチンが不足しており、多くの医師が例年通りの接種ができないと困っている。

都内5,500人の医師で構成する東京保険医協会では、会員からワクチンの入荷が遅れているなどの連絡を受け、10月17~27日に小児科・内科の医師3,510人に緊急アンケートを実施し、744の医療機関から回答を得た。回収率は21%。


それによると回答した小児科の75%、内科の64%が「インフルエンザワクチンが足りない」としており、全体では65%が不足を認識していた。67%の医師が前年に比べワクチンの納入量が少ないとしており、具体的には「2割減」とする声が27%、「3割減」が21%、「5割減」も14%だという。

対策としては「ふだん診ている患者を優先し、新規希望者は断っている」が21%、「定期接種の高齢者を優先している」が14%、「1回目を優先して2回目を待たせている」が8%、「大人の接種は見合わせている」が3%、「全面的に対応不能」が4%。「例年通り接種できている」は33%だった。

東京保険医協会は、不足の背景として今冬のワクチン製造予定量が約2,528万本で、前年の使用量約2,642万本を下回る水準にあることを挙げる。ワクチンの製造株を決定する厚生労働省の通知が遅れたのが一因としている。なお、インフルエンザワクチンの不足は過去にも起きているという。

また協会では11月1日付で、厚生労働省に供給不足の実態調査や、不足の解消を求める要望書を送っている。