「DOUBLE HAND」は、手を2つにするロボティックハンド。Youbionicが開発した。
Youbionicは、人類は様々な意味で拡張されるべきだと主張する。IT企業の多くが検索による情報収集能力やAIによる判断力など、人間の知的な面を拡張させているので、Youbionicは人間の身体を拡張させることにした。
「DOUBLE HAND」は身体拡張に向けた試みのひとつ。手を2つに増やすことで、人間を生まれたままの姿から、進化した“拡張人間”へと変える最初のステップとするものだ。もとは1つしかなかった手を2つにすることで、人間はこれまで以上の能力を発揮できるようになったり、脳がいままでにない発達を遂げる可能性がある。
使用するには右腕に「DOUBLE HAND」を装着し、人差し指と薬指にセンサーを取り付ける。この状態で人差し指を素早く曲げれば、「DOUBLE HAND」の2つの手のうち、人間の人差し指側の手が握られるという仕組みだ。薬指を曲げれば、薬指側の手が握られる。
物をつまむこともできる。この場合は、人差し指もしくは薬指をゆっくりと曲げると、「DOUBLE HAND」の人差し指と親指が何かをつまむ動作をする。
この手をどのような目的に使うかについては、「DOUBLE HAND」は何も説明してはいない。使用目的は利用者の自由な発想に任せるということのようだ。
「DOUBLE HAND」が掲載されたサイトのコメント欄には、この製品を見た人からの様々な意見が寄せられている。投稿には「私ならこう使う」というものも書き込まれているが、多くはジョークだ。
例えば「ピアノの連弾を、一人でできる!」という書き込みがある。興味深いが、実際には「DOUBLE HAND」のすべての指はほぼ同時に動いてしまうので、ピアノは弾けない。「右手でドラムをたたき、左手でピアノを弾けばよい。YouTuberとして一攫千金を狙える」というものも。だが「DOUBLE HAND」の動作は遅いので、ドラムを叩くのには向かないだろ。それに「DOUBLE HAND」なしでそのような演奏をこなすYouTuberはすでにたくさん存在している。
とはいえ、中には使えそうなアイディアも混ざっている。例えば、「スマートフォンを2台使っている人には便利なのではないか?」というものだ。2台のスマートフォンを「DOUBLE HAND」で固定し、左手で操作する、というこの使い方はありではないだろうか。1台でスポーツ中継を視聴しつつ、もう1台でその様子をツイートしたいときなどに便利だ。
下の手で掴んだスマホでツイート
なんて便利!(?)
同社のオンラインショップから購入できる。現時点では、発送先として日本を選択することができない。だが、YoubionicのFederico Ciccarese氏によれば、2018年1月以降に日本への発送にも対応する予定があるそうだ。価格は1,799ユーロとなっている。