ExaScalerのイメージ

スーパーコンピューター(スパコン)開発を手掛けるPEZY Computingの兄弟会社ExaScalerは代表取締役会長の齊藤元章氏が退任予定だと発表した。齊藤氏は詐欺罪により、東京地方裁判所で起訴となった。

PEZYとExaScalerはともに、スパコンのランキング「TOP500」で日本1位の成績をおさめた「Gyoukou(暁光)」の開発にたずさわってきた。


PEZYはスパコンの頭脳にあたる「メニーコアプロセッサー」、ExaScalerはスパコンの稼働によって生じる熱を効率よく取り除く「液浸冷却システム」の技術を担当している。

齊藤氏はPEZYの代表取締役社長であり、ExaScalerの代表取締役会長だった。

だが、過去に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から助成金をだまし取ったとして、12月25日に起訴。すでにPEZYは公式サイトで齊藤氏が辞任届を出したことを明らかにしていたが、ExaScalerも同様の発表をした。

ExaScalerでは「代表取締役会長という重職にある者がグループ企業における業務遂行に関連した行為により刑事訴追を受けた事実を極めて重く受け止める」とし、取引先や株主など関係者に謝罪。法令順守を徹底し、疑念を抱かれぬよう適正な業務を行うとしている。齊藤氏は取締役の選任などの社内体制が整い次第、退任の手続きに入る予定。

なおPEZY関係では、ほかにもUltraMemory(ウルトラメモリ)という「超大容量メモリー」などの技術を担当する企業があるが、そちらは2015年に公式サイトを開設以降、ほとんど更新しておらず、今回も特段の発表は載せていない。