「Tronsmart T6」をご存知でしょうか?驚くほど安く、そのサイズと価格を考えると驚くほどの重低音を得られるBluetoothスピーカーです。
円筒形の360度サウンドスピーカーに分類されるもの。そう聞くと、Boseの「SoundLink」を頭に思い浮かべる人が多いでしょう。「SoundLink」は従来のポータブルスピーカーのイメージを変えた製品。デザインもよくて魅力的ですが、何しろ見たことの無い形だったので、興味はあっても購入には至らなかったという人はいたのではないでしょうか?
「Tronsmart T6」は、そんな人にぴったりかもしれないスピーカー。360度スピーカーを手軽に体験できる製品です。
■どんなスピーカー?
「Tronsmart T6」は、12.5Wのオーディオドライバーが2つと、サブウーファー1つが搭載されたスピーカー。サブウーファーが、たっぷりの重低音を実現しています。また、バッテリーは5,200mAhと「ノートPC用かよ!」とツッコミたくなる大容量。これにより、最大15時間の連続再生を可能にしています。出力が合計25Wであること
大容量バッテリーを搭載していることが謳われています
以上は、カタログスペック。実際どんな音がするのでしょうか?
■癖があります
実際に聴いてみて感じたのは、癖がある!ということ。特定のジャンルの曲はものすごく気持ちよく再生してくれるのですが、苦手なジャンルもあるようです。◆どんな曲が向いていない?
ピアノやバイオリンなど、アコースティック楽器の音を楽しむような楽曲には「Tronsmart T6」はあっていません。例えば、「バッハの無伴奏曲を、音の反響の良い教会で演奏した」ような作品は、このスピーカーで聴くと良さが消えてしまいます。昔のロックのライブ録音なども厳しいものが多いと感じました。機材がいまいちで、低音が拾えていないようなものです。「Tronsmart T6」スピーカーは頑張って低音を増幅しようとするのですが、あまり良い結果は得られません。
この手の音楽をよく聴くという方は、もっと素直な音を出してくれる、例えばAnkerの「SoundCore」シリーズなどの方があっているかもしれません。
◆どんな曲が向いている?
筆者はこの土日、約20時間かけ様々なジャンルの約200曲をこのスピーカーで聴いてみたのですが、最初に“気持ち良い”と感じられたのはYMOの楽曲でした。「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」や「パブリック・プレッシャー」は、このスピーカーと相性ぴったり。ずっと聞いていたいと思えたほど。その他、YMOにレコーディングやツアーで参加していたミュージシャンの楽曲ともこのスピーカーは比較的相性が良いと思います。ジャンルとしてはフュージョンでしょうか?スピーカーでは重低音が強調されるので、ベースが良い働きをしている曲は、聴いていて楽しくなります。
「Tronsmart T6」をテレビに接続して聴いてもみたのですが、やはり楽しいのはベースが主役の楽曲でした。
最近話題のブルーノ・マーズの「24K」もあってます。低音がブンブン響いて快感ですよ。
◆そんな中でもベストは?
約200曲聴いて、このスピーカーで聴いてもっとも楽しいと感じたアーチストはSMAPです(注:まったくの個人的感想です)。SMAPの楽曲はベースラインが面白いことを、このスピーカーで聴くと改めて実感できます。「がんばりましょう」という楽曲では、ベースもがんばっています。■4DX映画みたいな?
このスピーカー、「原音を忠実に」といったタイプではありません。でも、それを目指しているスピーカーとは違う体験を与えてくれます。どんな体験か?というと、映画館での4DX上映システムに近いモノと言えるのかもしれません。4DXではシートが動くなどして臨場感を高め、従来の映画とは違う体験を提供してくれます。そこでは、映画本来の良さをより深く伝えるというよりは、テーマパークのように、別次元の楽しさを味わえます。
「Tronsmart T6」も、楽曲のこれまでとはちょっと違う新しい楽しみ方を提供してくれる気がします。
価格はAmazonでは、タイムセールで3,000円を切っていることもまれにありますし、8,000円を超えていることも。ですが4,200円くらいで販売されていることが多いようです。もし8,000円台で販売されているときには4,200円程度に下がるのを待って購入されると良いと思います。