ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」

ウェザーニューズが「第一回花粉飛散傾向」を発表した。来春の花粉飛散量は全国平均で平年の6割増、今年の2.7倍になると予想している。

■第一回花粉飛散傾向

◆全国平均では平年の6割増

2019年のスギ・ヒノキ花粉シーズンの花粉飛散量は、西日本の一部で平年をやや下回る地域もあるが、全国的に平年並か平年より多い予想。全国平均では平年(2009~2018年平均)の6割増となり、特に、東日本を中心に6年ぶりの大量飛散となる恐れがある。


ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」

また、全国的に花粉飛散量が少なかった2018年と比べても、北海道を除いて花粉飛散量はほとんどの地域で多くなる予想。山陰では2018年シーズン比で7~9倍、関東でも2~7倍となる地域もある。

ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」
山陰では2018年シーズン比で7~9倍、関東でも2~7倍となる地域も

■花粉飛散量が増加する理由は?

花粉の飛散予想は、前年の夏の天候や年ごとの飛散量傾向などの条件により決まる。2019年の花粉飛散量の予想が、全国的に平年比・2018年シーズン比ともに増加する理由は以下の通り。

◆2018年夏の記録的猛暑

一般的に、前年の夏に十分な日照があり、気温が上がるほどスギ・ヒノキ花粉の発生源となる雄花の生育が活発になる傾向がある(北海道のシラカバ花粉も同様)。

2018年は梅雨明けが早く、太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しが強まり、上空で2つの高気圧が重なる“ダブル高気圧”の影響で、西・東日本を中心に記録的な猛暑となった。西・東日本では日照時間も多く、雄花の生育に適した天候だったと言える。

一方、雄花の数は夏の天候が決め手となるが、雄花の中で生成される花粉数は秋の天候が影響を与えるとも言われており、こちらは今後の天気傾向の行方に左右される。


◆2019年シーズンは表年

花粉の飛散量は隔年で増減し、例えば、花粉が減少する“裏年”の翌年は、飛散量が増加する“表年”となる傾向がある。2018年は多くのエリアで“裏年”だったため、2019年は“表年”となり、花粉の飛散量が増加する予想。

■エリアごとの花粉飛散傾向

◆北海道

2018年の夏は、平年並の暑さとなった。このため、2019年シーズンのシラカバ花粉の飛散量は、平年並の1.13倍、2018年シーズンの0.82倍となる予想。

ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」北海道

◆東北北部

2018年の夏は平年並に晴れて、平年よりやや暑い夏となった。このため、スギの雄花の生育に適した条件であったと考えられる。

ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」東北北部

夏の天候と隔年の飛散傾向から、2019年シーズンの予想飛散量は平年並の1.01~1.16倍、2018年シーズンの1.44~1.81倍になる予想。2018年シーズンと比べて、症状がつらく感じる可能性があるため、早めの対策がおすすめ。

◆東北南部

2018年の夏は高気圧の影響で晴れた日が多く、記録的な猛暑となった。日照時間も平年を大きく上回り、スギの雄花の生育に適した条件であったと考えられる。

ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」 東北南部

夏の天候と隔年の飛散傾向から、2019年シーズンの予想飛散量は、平年よりも多い1.57~1.75倍、2018年シーズンの2.34~2.57倍になる予想。

特に、ピーク時は大量飛散の恐れがある。2014年~2018年は、飛散量が比較的少ない年が続いたが、2019年はここ数年に比べて症状がつらく感じる可能性が高いため、早めの対策がおすすめ。


◆関東

2018年の夏は、高気圧の影響で晴れた日が多く、記録的な猛暑となった。日照時間も平年を大きく上回り、スギ・ヒノキの雄花の生育に適した条件であったと考えられる。

ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」関東

夏の天候と隔年の飛散傾向から、2019年シーズンの予想飛散量は、平年の2倍以上となり、非常に多い予想。また、2018年シーズンと比べても、1.69~6.83倍となる見通し。

特に、ピーク時は大量飛散の恐れがある。2014年~2018年は、飛散量が比較的少ない年が続いたが、2019年はここ数年に比べて症状がつらく感じる可能性が高いため、早めの対策がおすすめ。

◆北陸・長野

2018年の夏は、高気圧の影響で晴れた日が多く、記録的な猛暑となった。日照時間も平年を大きく上回り、スギ・ヒノキの雄花の生育に適した条件であったと考えられる。

ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」北陸長野

夏の天候と隔年の飛散傾向から、2019年シーズンの予想飛散量は、平年より多い1.63~1.97倍、2018年シーズンの2.07~4.18倍となる予想。

特に、ピーク時は大量飛散の恐れがある。2014年~2018年は、飛散量が比較的少ない年が続いたが、2019年はここ数年に比べて症状がつらく感じる可能性が高いため、早めの対策がおすすめ。

◆東海・山梨

2018年の夏は、高気圧の影響で晴れた日が多く、記録的な猛暑となった。日照時間も平年を大きく上回り、スギ・ヒノキの雄花の生育に適した条件であったと考えられる。

ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」東海山梨

夏の天候と隔年の飛散傾向から、2019年シーズンの予想飛散量は、平年より多い1.22~2.43倍、2018年シーズンの1.84~5.47倍となる予想。

特にピーク時は大量飛散の恐れがある。2014年~2018年は、飛散量が比較的少ない年が続いたが、2019年はここ数年に比べて症状がつらく感じる可能性が高いため、早めの対策がおすすめ。

◆近畿

2018年の夏は、高気圧の影響で晴れた日が多く、記録的な猛暑となった。日照時間も平年を大きく上回り、スギ・ヒノキの雄花の生育に適した条件であったと考えられる。

ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」

夏の天候と隔年の飛散傾向から、2019年シーズンの予想飛散量は、平年より多い1.11~1.97倍、2018年シーズンの1.38~6.67倍となる予想。

特にピーク時は大量飛散の恐れがある。2014年~2018年は、飛散量が比較的少ない年が続いたが、2019年はここ数年に比べて症状がつらく感じる可能性が高いため、早めの対策がおすすめ。

◆山陰

2018年の夏は、高気圧の影響で晴れた日が多く、記録的な猛暑となった。日照時間も平年を大きく上回り、スギ・ヒノキの雄花の生育に適した条件であったと考えられる。

ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」参院

夏の天候と隔年の飛散傾向から、2019年シーズンの予想飛散量は、平年よりやや多い1.32~1.46倍、2018年シーズンの7.41~9.25倍となる予想。

特にピーク時は大量飛散の恐れがある。2014年~2018年は、飛散量が比較的少ない年が続いたが、2019年はここ数年に比べて症状がつらく感じる可能性が高いため、早めの対策がおすすめ。


◆山陽

2018年の夏は、高気圧の影響で晴れた日が多く、猛暑となった。日照時間も平年を上回り、スギ・ヒノキの雄花の生育に適した条件であったと考えられる。

ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」

夏の天候と隔年の飛散傾向から、2019年シーズンの予想飛散量は、平年よりやや多い1.29~1.50倍、2018年シーズンの1.51~5.08倍となる予想。

また、2015年~2018年は飛散量が平年並か平年以下の年が続いたが、2019年はここ数年に比べて症状がつらく感じる可能性が高いため、早めの対策がおすすめ。

◆四国

2018年の夏は、高気圧の影響で晴れた日が多く、平年よりもやや暑い夏となった。日照時間も平年をやや上回り、スギ・ヒノキの雄花の生育に適した条件であったと考えられる。

ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」

夏の天候と隔年の飛散傾向から、2019年シーズンの予想飛散量は平年並の地域が多く、平年の0.63~1.46倍、2018年シーズンの2.34~3.96倍となる予想。

2018年シーズンと比べて、症状がつらく感じる可能性が高いため、早めの対策がおすすめ。

◆九州北部

2018年の夏は、高気圧の影響で晴れた日が多く、記録的な猛暑となった。日照時間も平年を大きく上回り、スギ・ヒノキの雄花の生育に適した条件であったと考えられる。

ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」 九州北部

2019年シーズンの予想飛散量は、平年よりやや多い1.16~1.54倍、2018年シーズンの1.08~3.13倍となる予想。

2018年シーズンと比べて、症状がつらく感じる可能性が高いため、早めの対策がおすすめ。

◆九州南部

2018年の夏は、平年並に晴れて、平年よりやや暑い夏となった。スギ・ヒノキの雄花の生育に適した条件であったと考えられる。

ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」

このため、2019年シーズンの予想飛散量は、平年並の0.77~1.06倍、2018年シーズンの1.98~2.75倍になる予想。

2018年シーズンと比べて、症状がつらく感じる可能性が高いため、早めの対策がおすすめ。
 
より詳細な花粉飛散量の予報については、ウェザーニュースWebサイト内の「第一回花粉飛散傾向」を参照されたい。