ボストン・ダイナミクスが同社によるロボット「SPOT」を活用し、新型コロナウイルスと戦う医療従事者を感染から守るソリューションを開発していると発表しました。


同社は3月初旬頃から、ロボットを使って医療スタッフの感染リスクを低減できる方法はないかと、複数の病院から相談されていたそう。相談を受けた病院の1つでは医療スタッフ6名が感染しており、ロボットを使ってスタッフを患者と隔離する方法を求めていたそうです。


同社では病院に対して聞き取り調査を実施して、ロボットに何ができるかを検討。まずは病院外に設置したテントや駐車場で実施している発熱トリアージ外来へのロボット配備から始めることにしました。

この発熱トリアージ外来は新型コロナウイルスへの感染リスクが高い場所で、しかも最大で5人の医療スタッフが必要とされます。ここにロボットを配備することで、医療スタッフが感染の疑いがある患者と接する時間を最小限に抑えることを狙っています。

現時点で配備されているソリューションは、まだとてもシンプルなもの。「SPOT」に対してiPadやカメラなどを装着しており、医師は感染の疑いがある外来の患者をリモートからコンピューターやiPadを使って問診しています。それでも医師は感染のリスクなしで患者を診ることができるようになっています。

ボストンダイナミクスは今後、さらに機能を拡張して体温や呼吸数、脈拍数などをリモートから測定する方法を実装したいとしています。また、ロボットにUV-Cライトなどを搭載することで、病院の消毒に利用できるロボットの開発も検討しています。