5月20日、米国 Microsoft はビジネス向けタブレット「Surface Pro 3」を公表した。残念ながら、噂されていた「Surface mini」は今回の発表に間に合わなかったようだ。だが、Surface Pro 3 は、企業ユーザーがノート PC の代わりに業務で利用できるタブレットに仕上がっている。

企業ユーザーが Surface Pro 3 を購入すべき10の理由
Microsoft が発表した Surface Pro 3

Surface Pro 3 の画面サイズは12インチ。これは10.6インチだった前モデルからの目立った変化だ。解像度は2,160 x 1,440 ピクセル。アスペクト比は、これまでの16:9 から3:2に変更された。Microsoft によれば、この画面サイズとアスペクト比は、ビジネスアプリの利用や Web ブラウズに適したサイズだという。

画面サイズが大きくなったのにも関わらず、Surface Pro 3 の厚さは9.1mm で、重さは800g。Surface Pro 2 の厚さが13.5mm で重さが907g だったことを考えれば、かなりの薄型化、軽量化に成功していると言えるだろう。

プロセッサとしては第4世代の Intel Core プロセッサ「Haswell」を採用。Core i3、i5、i7 から、必要に応じて選択可能としている。

Surface Pro 3 は、企業ユーザーによる利用に適したタブレットだ。以下に、Surface 3 Pro のファーストインプレッションをお届けしよう。

1. ペン入力

Surface Pro 発表イベントで最も劇的だったのは、Panay 氏が付属のスタイラスペンのノックキャップをカチッと押したときだ。これだけで、Surface Pro の画面には、OneNote が表示され、メモが取れる状態になった。

1. ペン入力

Bluetooth 対応のスタイラスペンは、触り心地が上質で使いやすく、デジタルメモを取るのには最適なツールだ。

2. OneNote


Microsoft のメモアプリ「OneNote」は、Surface Pro 3 と深く統合している。正確なペン入力性能を持つスタイラスと、入力をすぐにクラウドに同期できる OneNote の組み合わせは、紙のメモが不要になるほどの使いやすさを提供する。

 2. OneNote

移動時などには、キーボードを利用できないケースもあるだろう。そのような場合、スタイラスペンと OneNote の組み合わせは、力強い代替入力手段を提供できる。

3. 画面はより大きく、より明るく

Microsoft の Surface 部門のトップ Panos Panay 氏は、Surface Pro 3 のスクリーンを「pixel-free(ピクセル無し)」ディスプレイと呼んだ。その名の通り、このディスプレイは肉眼でピクセルを識別するのは困難なほど高解像度だ。

 3. 画面はより大きく、より明るく

だが欠点もある。小さな文字を読むには、虫眼鏡が必要だろう。12インチはタブレットとしては大きいが、ノート PC としては小さめなのだ。

4. キックスタンドは無段階チルトに

Surface 2 では、キックスタンドのチルト角が24度と40度の2段階に設定可能になっていた。Surface Pro 3 では、チルト角は無段階。どのような角度にも設定できる。これで膝の上に載せて作業することが、より容易になった。

 4. キックスタンドは無段階チルトに

5. キーボードカバーは、ついに使い物になるレベルに

初代 Surface の発売後から、Microsoft はカバー型キーボードの改善に努めてきた。Surface Pro 3 向けに Microsoft が提供するキーボードでは、タッチパッド部分が拡大されるなど、その性能が大きく向上している。

5. キーボードカバーは、ついに使い物になるレベルに

タッチパッドの使用感も、以前のバージョンよりずっと滑らかになった。

6. 「Intel 入ってる」

試用機は、CPU に Intel Core i5、ストレージに128GB SSD が搭載されたモデル。中間グレードのマシンではあるが、処理速度はかなり高速で、アプリの起動やアプリ間の切り替えは一瞬だった。ストレージに SSD が採用されていることもあり、高速で滑らかなコンピューティング体験を得ることができる。

 6. 「Intel 入ってる」

また、Surface Pro では、x86 版の Windows ソフトウェアを利用できる。これは Intel が入っていることの大きなメリットだ。

7. 高品質な仕上げ


Surface Pro 3 の仕上げはさらに高品質なものとなった。ライバルである iPad と、デザイン上では十分に競合可能なレベルに到達している。

7. 高品質な仕上げ

iPad と比べると、Surface にはより多くのコネクタ、ベントホール、スタンドなどが付属しているため、スムーズとは言えない部分も確かにある。だが、所有欲を十分に満たすデザインであり、しっかりした手触りを楽しめる。

8. 9時間のバッテリ持続時間

これに関しては、まだ追試験が必要だ。だが、Microsoft によれば、Surface Pro 3 のバッテリ利用可能時間は、Pro 2 よりも10%延びているという。これは、国際線の飛行機内で仕事を進めたいビジネスパーソンには、ありがたい機能向上と言えるだろう。

8. 9時間のバッテリ持続時間

9. USB ポート付属


USB ポートは、以前の Surface にも付属していたもの。Surface Pro 3 で新たにサポートされたものではない。だが、USB ポートが付属していることは、実に心強い。

9. USB ポート付属

タブレットに USB ドライブが挿入されている姿は、美しくないとする向きもあるだろう。だがファイル共有をする際に、USB ドライブが最も手軽で簡単な方法というケースは、いまもあるのだ。

10. フルバージョンの Windows が稼働する


Surface Pro 3 には、Windows RT ではなく、Windows が搭載される。RT 上で稼働するタブレット向けのアプリは素晴らしいが、それでも Windows アプリを利用しなければならないケースは存在する。

10. フルバージョンの Windows が稼働する

ビデオを編集したり、ビジネスアプリケーションを起動したり、開発者向けツールキットを使用したり、といったケースだ。実際、Surface Pro 3 には、Photoshop をインストールして利用できる。Surface Pro 3 は、これら Windows アプリケーションをインストールして持ち運び、あらゆる場所で業務の遂行を可能にするタブレットだ。