電子同人誌配信サービス中堅の「DiGiket.com」が、仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン:BTC)」による決済に対応している。進取の気性に富んだ試みだ。

同人誌の購入にビットコインを--無謀?果敢?なデジタル同人配信「DiGiket.com」の試み
DiGiket.com は Bitcoin の普及に熱心だ

同人誌。一般の出版流通に乗らない、趣味的な少部数の冊子は、日本のマンガ、アニメ、ゲーム文化が爛熟するにつれ大きく成長した。商業出版がためらいそうな、性や暴力、同性愛から有名作品のパロディまで、多様で混沌とし、生のままに近い情動を表現した世界だ。

電子書籍ならぬ電子同人誌を配信するサービスも多く登場し、クリエイター達の活躍の場となっている。大手は「DLsite.com」「DMM.com」などで、それらに比べると、DiGiket.com の規模は比較的小さい。

しかし、DiGiket.com は果敢だ。あるいは無謀というべきか。この5月にビットコインによる決済に対応した。



ビットコインを取り巻く環境は必ずしもよくない。最大の取引所だった Mt.Gox が破綻し、4月には消費者庁が注意喚起をするなど、この仮想通貨に対する印象は「斬新だがリスキー」というものが一般的だろう。もちろん国内にもビットコインの自動販売機が登場するなど、新たな話題はあるが、支払い方法の1つとして導入するのは勇気がいる。

それでも今や、DiGiket.com では電子同人誌を入手するために必要なポイントをビットコインで購入できる。支払い手続きを開始すると検証(confirmations)開始から1時間〜最長6時間程度で完了するという。検証は6回必要となる。

DiGiket.com は多くのユーザーにビットイコインを使ってもらおうと、キャンペーンも実施している。5%のポイント還元を行うほか、ポイント購入にかかる10%分の手数料を無料にしている。

果たして、こうした試みは競合他社に広がるだろうか。さらにメインストリームの電子書籍配信サービスはどのように動くだろうか。興味は尽きない。