米国 Google は、日本の女性の社会進出を支援するプロジェクト「Women Will」を立ち上げた。最新技術を生かしたより柔軟な働き方を調査、研究するほか、インターネット上でも女性の社会進出に役立つ着想を募る。

Google(グーグル)、日本の女性の社会進出を支援するプロジェクト「Women Will」開始
Women Will

同社の調査によると、日本では71%の女性が、家庭の外でも役割を持つことが大切だと考えてるが、実際に社会が働く母親を支援していると考える女性は、38%にすぎないという。

多くの女性にとって、家庭との両立の難しさが仕事を離れる理由になっていると、Google は主張する。具体的には通勤に長い時間をかけられない、子供を預ける施設が少ないため就業時間が限定される、子供の風邪や病気への緊急対応に備える必要がある、などだ。

Googleは今回、こうした課題解決のため2つの取り組みを始める。まず「未来への働き方コンソーシアム」として、女性の社会進出を助けるための最新技術を使った新たな働き方などを6か月にわたり調査、研究、実践し、効果を測定する。

中央大学大学院戦略経営研究科の佐藤博樹教授と少子化ジャーナリスト、相模女子大学客員教授、作家の白河桃子氏が監修する。また複数の企業、組織がコンソーシアムに参加する。全日本空輸(ANA)、広島県、KDDI、日産自動車、リクルートホールディングス、非営利団体(NPO)のフローレンス、マドレボニータなどだ。

10月は新たな働き方の必要性の理解、浸透など課題の抽出をし、11月から12月は新たな働き方の実践、2015年の1月から3月はその導入効果の測定を行う。成果についてはフォーラムなどの場で発表するほか、Web サイトで公開する。

もう1つの取り組みとしては、働き方を変えるための着想を、ソーシャルメディア上で募集する。具体的には「#WomenWillJP」を付けて投稿した内容を収集し、Web サイトやフォーラムを通じて皆が参考にできる形で発表する予定。

■「Work Smart」はどうなった?


ところで、Google は7月にも、日本の女性のための新しい働き方「Work Smart」を提案している。

Work Smart では公式サイトで、女性が結婚などを経ても仕事を続けられる事例を掲載し、SNS「Google+」上にある女性の働き方に関するコミュニティを紹介していた。

今回立ち上がった Women Will プロジェクトと、Work Smart の関係についてはまだはっきりした説明がない。せっかく過去にも掛け声とともに始めた同様のプロジェクトがある以上、両者の連携あるいは継承、相乗効果を明確に打ち出してほしいものだ。