オンライン旅行会社のエクスペディアが、9月30日に九州支店を開設した。

急成長中のアジア旅行マーケットだが、その市場規模はすでにヨーロッパを抜いたという。また、アジアの主要都市では個人手配の旅行が大多数を占めることから、エクスペディアはアジアからの観光客を呼び込もうと、国内では4番目となる九州支店をオープンした。

福岡がアジア人旅行者に人気、エクスペディアが九州支店をオープン
出典元:観光庁 訪日外国人の消費動向(平成27年4-6月期 報告書)

エクスペディアの「日本主要都市の2015年上半期の前年伸び率」によると、福岡は前年比226%増加、また九州全体では239%と、東京や大阪の伸び率を大きく上回っている。日本政府観光局(JNTO)の調べでも、同様に、全国の伸び率129%に対し、九州エリアは前年比146%。

主要都市における前年伸び率の比較
2015年1〜6月と2014年1〜6月の予約件数を比較した数値

また、アジア主要都市の中でも福岡は人気の高い旅行先であり、「訪日外国人に人気の日本の都市ランキング」でも5位にランクインしている。アジアの主要都市に絞ると、韓国、台湾、香港、タイの全ての国で、「海外旅行 人気都市ランキング」で15位以内に入っている。

福岡に来ている訪日外国人を国別で見ると、韓国人が半数に近い41%、全体ではアジア人が81%も占めている。福岡における訪日外国人の予約件数を2012年から比較すると、2014年から2015年にかけて、大きく伸びている。その背景には「円安」があり、日本に旅行しやすくなったことやLCCの新規就航が上げられる。

特に韓国と香港は、チェジュ航空が4月から福岡〜釜山線を新規就航したり、4月から福岡〜香港線を就航している香港エクスプレス航空が、10月からの増便を決定したりと、未だに盛り上がりを見せている。

訪日外国人観光客の関心は国に関係なく日本の「食」にあるが、それ以外は、米国人が「歴史的・伝統的な景観、旧跡」に興味があるのに対し、アジア人は「ショッピング」に関心があり、福岡も「ショッピングを楽しむ街」としての需要が高まっていきそうだ。