福島第一原子力発電所周辺。ドローン(無人機)が飛び回りながら、カメラの目でとらえた風景を、スイスの NPO(非営利団体) Drone Adventures が公開した。

福島--ドローン(無人機)が見た景色、スイスの NPO が原発周辺を撮影
出典:Drone Adventures

Drone Adventures はドローンを環境保全、人道目的、文化保全、捜索、救助などの目的に生かそうと、2013年に設立した組織だ。

今回は、東京大学・空間情報科学センター(CSIS)の特別研究員であり、電子地図作成支援などを手掛けるマップコンシェルジュの代表者でもある古橋大地氏と協力して撮影を行った。収集したデータはすでに日本政府や関係自治体に提出しているが、インターネット上にあらためて一部を公開した。

撮影場所は、福島県の飯舘村、富岡町、いわき市久之浜。2011年の東日本大震災とそれに続く原発事故発生時、住民の避難や屋内退避が必要となった原発周辺の地域。

汚染された土壌を積み上げた一時保管場所や、無人の学校、復旧が進んでいても津波の痕跡が残る居住区など、それぞれ状況の異なる自治体のようすを、ドローンのカメラが記録に収めている。

撮影に使った機材は、スイス senseFly 製の「eBee」。Drone Adventures は自らの Web サイトに地図を組み合わせた解説記事を掲載するほか、多数の写真も公開している。