ブラザー工業は、ヘッド マウント ディスプレイ(HMD)型の業務用ウェアラブル デバイス「AiRScouter(エアスカウター)」の新モデルとして、装着感を向上させ、映像を見やすくした「AiRScouter WD-200S」(仮称)を発表した。1月14日から16日にかけて東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「ウェアラブルEXPO」に参考出品する。

ブラザー、業務用 HDM「AiRScouter」の新モデルは装着感が向上し映像が見やすく
AiRScouter WD-200S

AiRScouter は、HMD タイプのウェアラブル機器。映像を表示しても視野が妨げられず、両手が空いた状態となり、さまざまな業務の現場作業を支援できる。図面や各種情報を実際の視野に表示させることが可能で、製品/機械の組み立て、倉庫における商品/部品などのピッキング作業支援デバイス、医療現場での手術用サブモニターなどとしての活用が可能だ。

2012年6月より販売している現行モデル「WD-100G」(裸眼者用)および「WD-100A」(眼鏡者用)は眼鏡タイプであったのに対し、新モデルの WD-200S はヘッドバンド方式の装着方式を採用。これにより、装着後もずれにくく、装着感も自然になり、ディスプレイをフレキシブル アームで使いやすい位置に固定できるようになったという。さらに、眼鏡やゴーグルをした上でも使用できる。

ヘッドバンド方式に変更
ヘッドバンド方式に変更

ディスプレイの位置が調整しやすい
ディスプレイの位置が調整しやすい

ディスプレイの表示解像度は、1,280×720ピクセルに高精細化(現行モデルは800×600ピクセル)。映像の細部まで確認可能で、見やすくなる。仮想的な画像サイズは、1m 先に13インチの画面が表示されるように見える。

現行モデルで USB だった映像入力用インターフェイスは、HDMI およびコンポジットに変更。一般的な映像インターフェイスにしたので接続汎用性が高まり、多種多様な機器を簡単に接続できるようになった。

サイズと重さは以下のとおり。

【サイズ】
・ヘッドディスプレイ部:幅70×奥行き35×高さ 26mm
・コントロールボックス部:幅115×奥行き83×高さ 28mm

【重さ】
・ヘッドマウントユニット部:約 141g(ヘッドバンド、ヘッドディスプレイ、ケーブル含む)、約 35g(ヘッドディスプレイのみ)
・コントロールボックス部:約 204g(内蔵バッテリ含む)

AiRScouter の現行モデル 左:WD-100G、右:WD-100A
AiRScouter の現行モデル
左:WD-100G、右:WD-100A

なお、眼鏡/HMD 型のウェアラブル デバイスは注目を集めている「Google Glass」を筆頭に、アイウエアブランド「JINS(ジンズ)」が発売を予定している「JINS MEME」、ソニーの“スマート メガネ”「SmartEyeglass」、エプソンが2014年6月に発売した「MOVERIO BT-200」、ユニークな首掛け式の「Telepathy Jumper」など多数ある。業務用では、NEC の「Tele Scouter」のほか、キヤノンが提唱する MR(複合現実感:Mixed Reality)システムといった興味深いものが存在する。また、日本航空(JAL)は Google Glass を航空機の整備や貨物の搭降載作業に活用する実証実験を行った。

徐々にではあるが、こうしたウェアラブル デバイスが実用段階になりつつあるようだ。職場や街で当たり前のように使われる日も近いかもしれない。