動物園に住むチンパンジーがドローンを撃墜した、という内容の論文が、日本モンキーセンターの学術雑誌『プリマーテス』(Primates、シュプリンガー社発行)に掲載された。

ドローンを撃墜したのは、オランダのRoyal Burgers動物園に住む雌のチンパンジー、Tushi。ドローンは彼女のグループを撮影しようとしていたものだが、Tushiに枝であえなく叩き落とされた。この記録映像はYouTubeでも公開され、メディアで話題になったそうだ。
動物園のチンパンジー、プライバシー侵害でドローンを撃墜
チンパンジーのTushi、「隠し撮りはダメ!」
(写真出典:シュプリンガー社)

事件は4月10日、動物園で暮らすチンパンジーの様子を様々な角度から撮影しようと、テレビクルーがドローンを使用したときに起きた。

ドローンの試験飛行中から、チンパンジーたちは見慣れないドローンに反応し、枝を手に持ったり、木組みの足場に登ったりと、普段はあまり見られない行動を示した。撮影本番になると、約180センチの柳の枝を手に持ち、木組みの上に座っていたTushiが、ドローンのカメラにズームインされると、枝をドローンに向けて二振りし、ドローンを撃墜した。その後しばらくの間、チンパンジーたちは地面に落下したドローンに興味津々で、つつきまわしたりしていたそうだ。

シュプリンガー社はドイツに本社を置く国際学術出版社。出版物の中には、200人以上のノーベル賞受賞者の著作が含まれている。

チンパンジー対ドローン