商品やサービスを持続的に成長させるための手法「グロースハック」に注目が集まっている。

グロースハックとは、主に Web 業界におけるマーケティング手法の1つ。Web サイト分析や A/B テストなどの実施によりユーザーの新規獲得や継続率の向上を目指すもので、Facebook 社や Twitter 社も実践しているとされる。

国内でいち早くその重要性に注目したのが、サイバーエージェントの子会社であるシロクだ。同社は2013年よりアプリ開発者向けに、グロースハックをサポートするサービスを順次展開。第一弾としてリリースしたプッシュ通知解析サービス「グロースプッシュ」は、1,000以上のスマートフォンアプリで採用されるほどの反響を呼んでいる。

アプリの継続率を向上し、マネタイズを改善--注目を集めるシロクの「グロースハック」サービス
シロクが展開するサービスの1つ「グロースプッシュ」

シロク代表取締役社長の飯塚勇太氏によると、アプリのプッシュ通知機能はユーザーに継続利用を促すことが出来る反面、使い方には注意を要するという。ユーザーが不要と感じる情報配信であれば、逆に離脱を招く結果にもなりかねないためだ。

グロースプッシュはセグメント配信や A/B テスト配信、効果検証などの機能を提供。ユーザーの属性に合った情報を適切なタイミングで配信出来るという。これまでの導入事例では、ユーザーの継続率向上や課金額増加といった効果が見られたそうだ。導入が容易でユーザー企業の負担が少ない点も強みだという。

「グロースプッシュ」の画面イメージ
「グロースプッシュ」の画面イメージ

同社はそのほかにも、ポイントシステム「グロースポイント」やデバッグ自動化ツール「グロースデバッグ」、スマートフォンユーザー行動分析サービス「グロースリプレイ」を展開。幅広いサービスにより、アプリ開発者のニーズに柔軟に応えることを目指している。

「グロースポイント」の画面イメージ
「グロースポイント」の画面イメージ
 
アプリサービスの競争が激しさを増す中、グロースハックを実践して持続的な成長を図ることは、企業にとってさらに重要になっていくだろう。飯塚氏は「グロースハックのサービスは開拓の余地が多く残っている」と説明。「業界の中で『グロースハックといえばシロク』という認識を広めていきたい」として、引き続きサービスの拡充に努めるという。