月や小惑星で活動する新しいロボットの開発が始まった。1台ではなく、アリやハチのように「群」を作って働くのが特徴だ。

日本のジグソーとispaceの2社が手掛ける。群(ぐん)制御ロボットと呼ばれる技術を利用する。


人間の遠隔操作を必要としない「自律型」の小さなロボットを数多く送り込む計画だ。

ロボットはそれぞれが互いの距離や速度を確かめながら、衝突しないように動きまわり、水などの資源を探査する。

面白いのは、すべてを制御する「中央コンピューター」のような存在はなく、それぞれが必要に応じて互いに制御をしあうところ。それでうまくゆくらしい。

大型の探査ロボット1台を送り込むよりも、広い範囲を探査できるという。また、センサーや通信、運搬、マッピング(地図作り)、カメラなどの機能を色々なロボットに分散させれば、より多くの機能を使え、またどれか1台が故障しても探査そのものは続けられるといった利点もあるそう。

水の存在が示唆されている月の極地点にある「永久影クレーター」や月面の縦穴などでの活動を想定している。

もしこの「群」ロボットが月で水を見つけられれば、地球から水を運ばなくても、現地で飲料にしたり植物を育てたりできるほか、ロケットの燃料になる水素や、呼吸用の酸素なども取り出せる可能性があるという。

月を拠点にした火星探査なども可能になると、ジグソーやispaceはどこまでも夢を広げる。2018年~2023年に繰り返し実施予定の月面資源探査で実運用を予定しているとのこと。