超硬合金など珍しい素材を使った、薄くて強い腕時計「Eco-Drive One」が発表になった。太陽光だけでなく部屋のわずかな光でも発電し、針を動かし続けるのも特徴。シチズン時計が開発した。秋に発売するそう。
腕時計の心臓部であるムーブメントの厚さがわずか1.00mmで、ケースの厚みも2.98mm。アナログ式で光発電機能のある品としては世界最薄だとか。
シチズン時計は1976年から光発電機能のある腕時計を作っており、今回は40周年を記念してフラッグシップを作った。ワニ革バンドの限定モデルとメタルバンドの通常モデルがある。それぞれ珍しい素材をふんだんに使っている。
ステンレススチールの10倍以上の硬さを誇る「バインダレス超硬合金」と、同数倍の硬度があり薄く加工しやすい「サーメット」。どちらも金属というより宝石に近い硬さだ。
バインダレス超硬合金は限定モデルのべゼルと裏ぶたに採用している。炭化タングステンが主成分で、耐食性や耐酸化性にも優れ、普通は工業用の「金型」などに使うことが多い。しかし表面をとてもなめらかにできる特徴を生かし、はじめて時計に使ってみたという。
サーメットは、限定モデルのケースと、メタルバンドモデルのべゼルに採用している。名前はセラミックスと金属(メタル)を組み合わせた造語で、セラミックスが持つ熱や摩耗(まもう)への強さと、金属のしなやかさを兼ね備える。見た目には一般のセラミックスより金属らしい光沢がある。普通は工業用の「工具」などに使うことが多い。
これらを外装に用いたEco-Drive Oneは、キズつきにくいだけでなく衝撃にも強く、見た目にも美しいそう。日常生活用防水にもなっている。
文字盤のカラーは限定モデルはブラック、通常モデルはブラック、シルバー、チャコールグレーの3種類。
希望小売価格は、限定モデルが70万円(税別、以下同じ)、通常モデルが30万円。