日本では、将来の人工知能(AI)が仕事を「サポートする」存在になるという考えが多く、「仕事を奪う」を上回った。こんなレポートを調査会社のガートナー ジャパンがまとめた。


調査は、企業のIT分野の責任者515人を対象に2月に行った。今後10年以内に人工知能が仕事にどう影響するかを聞くと、44.1%が「自分たちをサポートする」と答えた。「仕事を奪う」は10.5%。そもそも「影響はない」という冷めた意見も24.9%。


一方、人工知能にかかわる技能を獲得したいかと聞くと、41.3%が「獲得したい」と回答し、「様子見」が32.0%だった。


ガートナーによると、最近は人工知能や機械学習に関する企業からの問い合わせが増えている。一方「何でも人工知能」となっている状況も見られ、相当な混乱も見られるという。

人工知能というキーワードが一般に広がったが、実際には科学的な裏付けもなく、とても本物の人工知能とは呼べないものまで含まれている。厳密には人類を超える「人工知能」はまだ世の中に存在しない、というのがガートナーの考えだ。

ちなみにガートナーの思い描くような、人工知能の能力が人間を超える段階を技術的特異点(シンギュラリティ)というが、現状のコンピューター技術の水準からすると、まだ実現を疑問視する声も多い。ただもし実現するとすれば、もはや仕事を奪うとか、サポートするとかいう問題ではなくなる気もする。