サイバー攻撃を可視化するニルヴァーナ改
SFアニメみたい

サイバー犯罪者などがしかけてくる攻撃をCGとして表示し、防御、分析できるシステム「NIRVANA改(ニルヴァーナ・カイ)」。SFアニメに登場しそうな見ためだが、国の研究組織、情報通信研究機構(NICT)が開発したものだ。

ニルヴァーナ改は、全体像が分かりづらい企業の社内ネットワークなどを、CGを駆使して「かたちあるもの」として描きだす。さらに異常を検知すると、やはりCGで警告を浮かび上がらせる。

NICTがニルヴァーナ改を開発した背景には、サイバー攻撃の巧妙化と、それに対抗するセキュリティの複雑化がある。

例えば、狙った企業や公共機関を調べ上げ、相手に合った方法で情報を盗もうとする「標的型攻撃」などに対抗するため、守る側も複数種類のセキュリティ機器を組み合わせた「多層防御」を導入しているが、これらの機器から出る膨大な警告をさばくのは大変だ。

ニルヴァーナ改は、警告を集約して見やすく表示できる。さらに最近の更新で、複数の機器から出た警告を自動分析し、種類別に統計をとれるようになった。集約した警告を検索したり並べ替えたりも可能。攻撃の分析をよりうまく行える。

セキュリティ機器の警告を集約して表示するニルヴァーナ改
警告を集約し、統計をとれる

セキュリティ機器などと連携した自動防御機能を備えており、社内ネットワークの一部をインターネットから完全に遮断した場合はCGで「封」のアイコンを表示するなど、状況を直感的に把握できるようになっている。

「封」の文字を表示するニルヴァーナ改
社内ネットワークの一部をインターネットから完全に切り離し、「封」と表示

NICTは、更新版ニルヴァーナ改を、6月8日~10日に幕張メッセで開催するIT関連イベント「Interop Tokyo 2016」に展示する。