西武鉄道の新型車両「40000系」
西武鉄道の新型車両を利用する

「座席指定制」の通勤・通学列車が、埼玉県、東京都、神奈川県の複数の鉄道をまたいで、2017年春から運行する。一部編成の座席について、壁にそってならぶ「ロングシート」と、壁に直角にならぶ「クロスシート」を切り替えられるなど面白い構造になっている。

クロスシートとロングシートの比較画像
クロスシートとロングシートを切り替えられる

西武鉄道、東京地下鉄、東京急行電鉄、横浜高速鉄道の4社が協力して運行する。

運行区間は日によって異なる。平日は西武鉄道池袋線~東京メトロ有楽町線、そして土休日は西武鉄道西武秩父線~東京メトロ副都心線~東急東横線~横浜高速みなとみらい線を行き来する。

西武鉄道の新型車両「40000系」を使う。一部編成でクロスシートとロングシートを切り替えられるほか、車いすやベビーカーを利用する人などが過ごしやすい「パートナーゾーン」を備える。これは車いすを固定できる設備や軽く腰掛けられる新しいデザインの座席をしつらえ、子どもたちが車窓の景色を楽しめるよう、従来より窓を大きするなどしている。

パートナーゾーン
車いすやベビーカーが利用しやすいパートナーゾーンもある

さらに車内装備として、シャープの「プラズマクラスター」と、情報配信装置「スマイルビジョン」を採用している。

さて、せっかく全席指定でゆったり座って通勤できるのであれば、車内Wi-Fiやコンセントに接続してスマートフォンやノートPCなどを使いたいところ。だが、西武鉄道によると、目下そういったサービスに関する情報はないという。

西武鉄道は最近、訪日観光客などに向け駅に無料Wi-Fi「SEIBU FREE Wi-Fi」を導入しているものの、まだ車内Wi-Fiなどは難しいだろうか。

SEIBU FREE WI-Fi ロゴ
訪日観光客などに向けた無料Wi-Fiはあるのだが

なお別の鉄道会社である京王電鉄も、新型車両「5000系」を使って2018年春から首都圏で座席指定制の通勤列車を運行す予定。

京王電鉄の「5000系」
京王電鉄はWi-Fi・コンセント付きの「座れる通勤列車」を計画している

こちらは新宿発・京王八王子行きおよび新宿発・橋本行きで、車内のWi-Fi・コンセントが特徴の1つになっているだけに、つい似たサービスを期待してしまう。