Xiaomiによる電動アシストに見えない折り畳み自転車「Mi QiCYCLE」

中国のXiaomi(小米)が先週、折り畳み電動アシスト自転車「Mi QiCYCLE」を発表した。販売開始されれば、欧州や米国に続き、中国の街でも“電動アシストに見えない電動アシスト自転車”が走ることになる。

Xiaomiによる電動アシストに見えない折り畳み自転車「Mi QiCYCLE」ホワイト
日本人としては悔しい!
Xiaomiの折り畳み電動アシスト自転車「Mi QiCYCLE」

“電動アシストに見えない電動アシスト自転車”とは、フレーム内などにバッテリーを装備した自転車。ハブモーターなどとあわせて採用することで、一般的な自転車と変わらないルックスを獲得したものだ。「電動アシストに興味はあるが、あのデザインがちょっと…」と感じていた人を中心に、欧州と米国で人気が高まっているが、日本では普及していない。



VIVAX VELOCE CFに組み込まれたモーター
モーターはシートチューブに隠されている

今回Xiaomiから発表された「Mi QiCYCLE」は、フレーム内にバッテリーを組み込み、フロントホイールにハブモーターを搭載したもの。電動アシストに見えないというレベルを超えて、ちょっと欲しくなる魅力的なルックスを獲得している。

フレーム内にバッテリーを組み込んだ「Mi QiCYCLE」
フレーム内にバッテリーを組み込んだ「Mi QiCYCLE」のデザイン
強度的には??な箇所もありそうだが、
デザインが魅力的で悔しい

ハブモーターを組み込んだ「Mi QiCYCLE」
「Mi QiCYCLE」のフロントハブモーター
ハブダイナモのようで、電動アシストに見えないのが悔しい

「Mi QiCYCLE」は折り畳み機構も持っている。重さは14.5キロと電動アシストとしては軽めなので、クルマのトランクなどに入れて持ち運びやすい。旅先に持っていけば、坂の多い高原や風の強い海沿いの観光地でも楽に走れるだろう。なぜ日本の大手メーカーが参入しないのか不思議と思える、今後が期待されるカテゴリーに含まれる1台だ。

折り畳んだ「Mi QiCYCLE」
折り畳んだ状態の 「Mi QiCYCLE」
この形状は、あれでは?と思えなくもないが、
部屋に収納しやすそうで悔しい

折り畳むとクルマのトランクに入る「Mi QiCYCLE」
折り畳むとクルマのトランクに収納できる「Mi QiCYCLE」
モデルの女性の服装が
クルマのボディカラーとコーディネートされていて悔しい

向かい風でも走れる「Mi QiCYCLE」
風の強い海沿いの観光地でも走行しやすいことを示すイメージ画像
なぜか「Mi QiCYCLE」ではない自転車が使われていて悔しい

「Mi QiCYCLE」に搭載されるバッテリーは、パナソニック製のリチウムイオンセル。1回の充電で45キロのアシストが可能だ。

Mi QiCYCLEに搭載されたバッテリー
バッテリーはパナソニック製でとても悔しい

スマートフォンメーカーであるXiaomiが販売するものだけあって、モバイルデバイスとの連携にもぬかりはない。専用アプリを使用すれば、走行速度や距離、消費カロリーなどを表示できる他、GPSを使用したルートトラッキングも可能だ。

「Mi QiCYCLE」のアプリ連携イメージ
「Mi QiCYCLE」のアプリ画面イメージ
これは、特に悔しくはない

スペックを読んでいて特に興味を引かれたのは、「IDKトルク計測メソッド(IDbike Torque Measurement Method:TMM)」が搭載されている点。詳細は不明だが、これはサイクリストのペダルパワーを計測し、それに合わせて最適なアシスト出力を自動設定するという。

「Mi QiCYCLE」に搭載されたIDKトルク計測メソッド
「IDKトルク計測メソッド」の機構概念図
日本市場に参入しそうでうれしい
……じゃなくて、悔しい

筆者は以前、米国の自転車メーカーで、電動アシストの開発について話を聞いたことがある。その際に、「日本では、速度が上がるにつれアシストパワーを弱め、24キロでゼロにする必要がある」という話をしたのだが、彼らはそれを聴いてがっかりしていた。そんな面倒な機能が必要なら、日本の市場には参入したくないとも言われてしまった。

「Mi QiCYCLE」の「IDKトルク計測メソッド」が具体的にどのようなものかは明らかにされていないが、このようなシステムが搭載できるということは、将来的には「Mi QiCYCLE」を、日本市場向けにアジャストすることは可能なのでは?という気がする。あくまでも、想像に過ぎないが。

変速機には、ShimanoのNexusシリーズ内装3段が採用される。Xiaomiによるプレスリリースには、Nexusの変速機があればバッテリーがあがってしまったときでも、ペダルを漕いで快適に走れるとある。

「Mi QiCYCLE」に搭載されたShimanoのNexusシリーズ内装3段変速機
日本製のShimano Nexusシリーズが使用されていて、
安心…じゃなかった、悔しい

販売はXiaomi独自のクラウドファンディングシステムを使用。価格は2,999人民元(約4万6,000円)。最初の出荷は中国国内のみ。

「Mi QiCYCLE」の価格は2,999人民元
あり得ない低価格が、めちゃめちゃ悔しい!

クラウドファンディングなので、購入希望者が集まらなければ、製品化はされないかもしれない。だが製品化されたら、本気で悔しい思いをする人は多いだろう。欧州や米国の自転車メーカーにだけでなく、中国の家電メーカーにさえ日本が負けた気持ちになってしまうためだ。

とはいえ、もし日本仕様車が発売されたら、悔しがりながらも、買ってしまうような気もする。

「Mi QiCYCLE」ブラック
日本の厳しい基準をクリアして販売まで漕ぎつけたら
本気で悔しい?