
「iBike」は“世界一安い”を謳う電動アシスト自転車。低価格でありながらも、電動アシストには見えない工夫がなされている。
「iBike」の特徴としては、やはり“低価格”をあげざるを得ないだろう。開発元の米国Coolpedsは現在、クラウドファンディングサイトIndiegogoで出資者募集のキャンペーンを実施しているが、このキャンペーンでのEarly Bird価格は468ドル(約4万8,700円)と、電動アシストとしては驚異的な価格設定がなされている。Early Birdがソールドアウトになった場合でも、キャンペーン中は499ドル(約5万1,900円)で入手可能だ。

とはいえ、中国製の電動アシスト自転車や電動モペッドには、もっと安い価格が設定されたものもある。Coolpedsがいくら“世界一安い”を主張しても、価格だけでそれらと競合していくのは困難だろう。

だが、「iBike」にはもうひとつの武器がある。「iBike」の2つ目の特徴は、この低価格でありながら電動アシスト自転車に見えない工夫がなされていることだ。
モーターには前輪ハブタイプを採用。小型で、一見したところでは自転車ライト用のハブダイナモに見えるサイズだ。この小型モーターは、電動アシストらしくないルックスを生み出すのに大きく貢献している。

バッテリーは、トップチューブに取り付けられたポーチの中に隠された。このポーチはフェイクレザー製。本革製のサドルやハンドルグリップなどとデザイン的にマッチし、ハブモーター同様、電動アシストに見えないルックスの獲得に寄与していると、Coolpedsは主張している。

ポーチは、レザーサドルやハンドルグリップとコーディネートされている?
正直に言うと、このポーチのサイズやデザインには若干の不自然さを感じる。フレーム内にバッテリーを隠すタイプと比較すると、見た目の完成度の低さは否めないだろう。だが、この価格を実現するにはこれしかなかったのだろうな、とも思える。また、多くの電動アシスト自転車のように、シートチューブの後ろに大きなバッテリーが設置されているよりは、少なくともルックス的にはずっとましだ。
バッテリーの充電に必要な時間は3~4時間で、1回の充電でアシスト可能な距離は48~80キロとなっている。

少しレトロな雰囲気を持ち、電動アシストに見えないルックスでありながら、驚きの低価格。これが「iBike」だ。残念ながら米国仕様(ペダルを漕がずに前進できる電動バイクモード付き)のため日本では公道を走行できないし、Coolpedsも現時点では米国内のみで販売するとしている。だが、日本向けに仕様が変更され、低価格で販売されれば日本でも電動アシスト自転車に乗る人が一気に増えるのでは?と思えてならない。

Indiegogoキャンペーンに出資した人に対する「iBike」の出荷は、2016年10月頃に予定されている。キャンペーン終了後の小売価格は799~999ドルとなる見込み。