ポケモン捕獲の張り紙
ポケモン捕獲についての張り紙が準備中

 「当院敷地内でのポケモンの捕獲はご遠慮いただきますようよろしくお願い致します」。こんな張り紙がTwitter上で注目の的だ。大阪の動物病院「南大阪動物医療センター」が掲載したもの。日本でも拡張現実(AR)ゲーム「Pokemon GO(ポケモンGO)」にからむ騒ぎを予想している人は少なくないようだ。


ポケモンGOは、iPhoneやAndroidスマートフォンを手に、実際に町を歩きまわり、カメラごしに現実の風景をのぞいて、架空のキャラクター「ポケモン」を見つけ、つかまえる。


楽しいゲームだが、海外では遊ぶのに夢中になるあまり、地元の迷惑を考えずにあちこちに入り込む、といった問題が発生している。

豪警察署「中に入らないで」と注意


ポケモンGOでは、各地にある目立つ建物が、ポケモンやアイテムを入手できる場所「ポケストップ」になる。飲食店であれば客が増えてうれしい場合もあるだろうが、公共機関では大勢の人が押し掛けると業務に支障が出かねない。

実際にポケストップになったオーストラリアの警察署が、注意書きを出したのは記憶に新しい。「建物の外でも必要なものは入手できるようになっているから、署内に入らないで」と市民に頼んだのだ。

米国では自宅がジムになる例も

さらに遊んでいる人同士が互いのポケモンを戦わせる「ジム」になった場所は、もっと頭が痛い事態におちいりかねない。

実際に米国では、気づくと自宅がジムになっていたという人がいる。古い教会を住居にしていたのが原因らしく、毎日のように家の前で誰かと誰かが勝負を繰り広げている状況だ。「ジムのオーナー」を名乗る相手にまで遭遇したとか。




ちなみに、この人はまだ、自宅をジムでなくする方法を見つけられていないもよう。

イングレスのように定着できる?

冒頭の南大阪動物医療センターの張り紙もあながち冗談で済まないかもしれない。今後、日本でもポケモンGOが始まり、実際にジムやポケストップになってしまうと、笑ってばかりもいられないところが出てきそうだ。

一方で大した問題にはならない、という予測もある。すでに日本に広まっているARゲーム「Ingress(イングレス)」でも当初、「ポータル」と呼ぶ特別な地点の設置をめぐって、似た騒ぎがあちこちで起きたが、少しずつ解決しつつゲームは続いている。

ポケモンGOを遊ぶ人口は、イングレスに比べてもかなり多くなりそうだが、同じように地元の人と折り合いをつけながら、楽しく遊べるよう願いたい。