
観光地の土産屋では、缶入りの空気が販売されていることがある。意味のない商品だなと思いつつ、高原などでおいしい空気を吸っていると、これを友達や家族にも味わわせてあげたいと思うことはあるので、買ってしまう人の気持ちはわからないでもない。
北京では、大気汚染の激しい北京の空気が詰まっていると主張する空気缶「BEIJING AIR」が販売されている。これを買ってしまう人の気持ちとは、どんなものなのだろうか?

缶下の「2.5」という数字が怖い
「BEIJING AIR」を販売しているのは、北京で観光客向けのお土産を扱っている「Plastered 8」。同店の商品には、地元の人には珍しくもないが、観光客の目から見ると興味深い北京のあれこれを商品化したお土産がならんでいる。中には少しだけブラックなユーモアが感じられるものもあるが、「BEIJING AIR」は、特にブラックな笑いを誘う商品の1つだ。

パンダって、ウィンクできるんだ!
「BEIJING AIR」は、外国人観光客が購入し、友達へのお土産にするためのもの。北京の空気がこの中に入っていると言われれば、報道などで伝え聞く北京のPM2.5をより身近に、リアルに感じられるだろう。
その他、「Plastered 8」が公開している動画では、北京に住む人が、海外旅行に出かけるときに持っていくという使い方を紹介している。(北京に比べれば)空気のきれいな海外の都市で北京の空気を懐かしく思ったとき、この缶をあけてビールを飲むように匂いを嗅げば、ホームシックにならなくて済むかもしれない。

(撮影は北京世界公園で実施されたとのこと
背景に写っているのは、本物のエッフェル塔ではなくレプリカ)
缶に書かれた成分表示によれば、「BEIJING AIR」に含まれているのは窒素77%、酸素20%と、地球の大気とほぼ同じ構成。だが、その他成分3%という表示もあり、ここに北京の空気独自の何かが含まれていると推測される。それが何かについて記載はないが、
警告:窒息の危険性があります
というあたりで推測してほしいようだ。

北京に旅行に行った際に、お土産として購入されてはいかがだろう。だが気になったのは、缶に書かれた原産地表示だ。「Made in Shenzhen(深セン)」となっている。もしかしたら、缶に入っているのは北京の空気ではないのかもしれない。…が、そんなことは、どうでもよいのかもしれない。
