（画像出典：NASA）
宇宙開発がスタートした頃と比較して、宇宙船や宇宙ステーションの内部は格段に快適になったそうだ。宇宙食もおいしくなったという。だが宇宙服を着たときの排泄物の処理は、いまもおむつに頼っている。これは決して清潔とは言えないし、何より宇宙飛行士が不快に感じているのだとか。
NASAは、宇宙服を着用した際の排泄物の新たな処理方法のアイディアを、クラウドソーシングによる問題解決を目指すheroxで募集中だ。プロジェクトの名称は、「Space Poop Challenge」。おむつを使わないで済む新しい快適な排泄物の処理方法を提案してくれた人に対して、総額3万ドルの賞金を出すとしている。
宇宙飛行士が宇宙服を着用するのは、シャトルやロケットの打ち上げ時と地球への帰還時、そして緊急時など。宇宙服はこの状況にあわせ、打ち上げや着陸の際の着用時間は10時間程度、そして緊急時には最大で6日間着用が継続されるという前提でデザインされる。このため、今回のソリューションにおいても、最大で6日間分の排泄物を保持または処理できなければならない。
また、打ち上げ時の加速度は3～4G程度。この状況下で排泄物が飛び散らないソリューションが要求されている。
NASAの宇宙飛行士であるリチャード・マストラキオ氏は、「Space Poop Challenge」のプロモーションビデオで次のように述べている。
「宇宙飛行は華やかなだけのものではない。人々は宇宙船の中でも、トイレに行かなければならない。排泄物が宇宙飛行士に害を与えたり、死に至らしめたりしないようにするには、どう取り扱えばよいのか？これが、わたしたちと一緒に考えてほしい課題だ」
NASAの宇宙飛行士 リチャード・マストラキオ氏
「Space Poop Challenge」の応募の締め切りは12月20日。賞金獲得者は、来年の1月に発表される。応募の詳細についてはNASA Webサイトの「Sace Poop Challenge」ページ、およびheroxのWebサイトの「Sace Poop Challenge」ページを参照されたい。
Astronaut Richard Mastracchio on Space Poop Challenge from HeroX on Vimeo.
