
「eyeHand」は手のひらをタッチスクリーンとして使用するリストバンド型のスマートフォン。米国カリフォルニア州サンフランシスコに本拠を置くeyeCamが開発している。

スマートフォンを“小さなコンピューター”として見たとき、現在のスマートフォンはその性能に比して十分に軽量化され、かつ小型化されていると言える。だが、スマートフォンは、“画面サイズよりも小さくすることはできない”という限界を持っている。「eyeHand」はこの限界に挑戦するウェアラブルデバイスだ。
「eyeHand」のリストバンド型のボディには、プロジェクションシステムが組み込まれており、手のひらや指に、スマートフォンのタッチスクリーンに相当するものを投影する。このタッチスクリーンをもう一方の手の指で操作する仕組みだ。

もう一方の手の指で操作
これぞ、真のパームトップコンピューター?
現在のスマートフォンでできることは、「eyeHand」でもほぼ実現できるという。例えば「eyeHand」本体に内蔵されたカメラで写真を撮る場合、手のひらのタッチスクリーンをシャッターとして使用する。撮影したあとは、写真の簡単な編集も可能だ。

スマートフォン同様、撮影した写真をSNSに投稿することも。手のひらに相手の顔を映し、ビデオ通話を楽しむことも、もちろんできる。

ポケットからスマートフォンを取り出すより、
素早く撮影・投稿できる

嫌いな相手との通話は、やっかいそうだが…。
eyeCamは、将来的には「eyeHand」の適用範囲を拡大。レストランでの支払いや、ホテルの部屋を開ける電子ルームキーなどに活用していきたいとしている。このような機能を付加した場合、現行の形式のスマートフォンだと盗難や紛失の不安がつきまとう。だが、「eyeHand」であれば、盗難や紛失のリスクを、ぐっと下げることができるそうだ。

女性がトイレに立つタイミングを待たなくてもよい?

これなら、キーをなくさないですみそうだ
ウェアラブルデバイスには、メガネ型の「スマートグラス」や、時計型の「スマートウォッチ」などが存在する。だがどちらも入出力が貧弱であることは否めない。メッセージを入力するキーボードなどを持たないし、地図などを表示するには画面が小さすぎる。
だが「eyeHand」であれば、現在のスマートフォンのタッチスクリーンに近い機能を提供可能だ。“手のひらサイズ”のスクリーンは、さすがに映画を視聴するには不向きだろうが、地図やテキストなどを表示するには支障はない。スマートフォンの仮想スクリーンと同じように、文字を入力することもできる。

これから観る映画を選択することはできる
現時点では、発売日などは公表されていない。だが、製品化されれば、反響は大きいのではないだろうか?少なくとも、スマートグラスやスマートウォッチよりも、「eyeHand」はずっと魅力的に、そして実用的に見える。