東京藝大のクラウドファンディングイメージ
約2万枚のアナログレコード

東京藝術大学が保有する2万枚のクラシックSPレコードを危機から救い、安全に保存するための支援募集が始まった。クラウドファンディングサイト「Readyfor」が申し込みを受け付けている。

教育者でレコードのコレクターでもあったクリストファ・N・野澤氏が2013年に亡くなった際、生前収集した約2万枚のSPレコードと蓄音機が故人の遺志によって東京藝大の図書館に寄贈。クライスラーやエルマン、ティボーといった世界中のコレクターが探しているような貴重な品が多いそう。


ところがそれらは3年のあいだ段ボール300箱の中に眠ったままとなっている。SPレコードは非常に割れやすく慎重に取り扱う必要があり、専用の保存箱を購入するなどの対応が望ましい。

そこで適切な保管環境を整えるための資金としてクラウドファンディングで500万円を募ることにしたという。


支援への返礼とし「ヴァイオリニスト・澤和樹(第10代東京藝術大学長)による特別限定コンサート」や100年前の巨匠がすぐ側で演奏しているかのように感じる「蓄音機コンサート」などを用意している。

東京藝大は2016年1月、「失われた壁画を完全復元し黄金のアフガニスタンを取り戻したい」とするクラウドファンディングを実施し、4,63万1,000円の支援金調達に成功している。単に資金を調達するというより、壁画復元の意義を世間に広める狙いもあった。新たな取り組みはこれに続くもの。