「PIXEL」OSのindows PC/Mac対応版公開

35ドルPCと呼ばれる「Raspberry Pi」を開発するRaspberry Pi Foundationは、「Raspberry Pi」用のOS「PIXEL」のWindows PC/Mac対応版(プロトタイプ)を公開した。古くなったマシンを復活させ、「Raspberry Pi」と同様の利用体験を提供する。

「PIXEL」はDebianベースのOS。デスクトップコンピューターに必要とされるツールなどは最初からそろっている。例えばWebブラウザとしてChromiumが搭載されているので、インターネット接続環境があれば、すぐにWebの閲覧などが可能だ。LibreOfficeを使い、オフィス文書を編集・作成することもできる。


「PIXEL」OSのindows PC/Mac対応版公開

「PIXEL」を開発した理由についてRaspberry Pi Foundationは公式Blogで次のように説明している。

「今年の夏、私たちはある問題について自問していた。私たちはPIXELがとても気に入っているが、このOSを人々に実行してもらうには、Raspberry Piのハードウェアを購入するようお願いしなければならない。WindowsやmacOSがインストールされたハードウェアはそこら中にあり、そのハードウェアではx86ベースのDebianが問題なく動作する。これらのマシンの所有者に対して、わたしたちができることは何かないだろうか?」

この自問からスタートし、3か月かけて開発されたのが、今回のx86プラットフォーム向けの「PIXEL」だ。

「PIXEL」は、ハイスペックとはいえない「Raspberry Pi」向けに開発されたOS。このため、かなり昔の、低スペックなPC/Mac上でも動作するという。例えば、512MBのRAMしか持たないThinkPad X40上でも動作したそうだ。

「PIXEL」OSのindows PC/Mac対応版公開

余談だが、ThinkPad X40とは、発売されてから10年以上経過した(Lenovoではなく)IBM製のThinkPad。OSとしては、Windows XPがプリインストールされていた。現在でも中古品が安く販売されているので、「PIXEL」をインストールして楽しむにはぴったりかもしれない。

「PIXEL」の活用例としてRaspberry Pi Foundationは、学校の古いPC/Macでの使用をあげている。これにより、家庭では安価な「Raspberry Pi」でプログラミングの学習をしている生徒が、家と学校の両方で同じ環境を使用できるようになるという。

Raspberry Pi Foundationにとっては、古いPCやMac上でこれまで以上に多くの人が「PIXEL」を使用することで、利用者からのフィードバックを受け、「PIXEL」をより良いOSへと進化させることが可能になるとしている。

「PIXEL」のイメージファイルは、Raspberry Pi FoundationのWebサイトからダウンロードできる。現在はプロトタイプのため、DVDまたはUSBメモリーからのブートのみがサポートされている。将来のリリースでは、ハードディスク内に直接インストール可能となる予定だ。

「PIXEL」OSのindows PC/Mac対応版公開