
オランダが誇るバロック期の画家Johannes Vermeer(ヨハネス・フェルメール)。その作品は日本でも人気。実は彼の知られざる傑作として「木魚」を描いた絵がある、と言って紹介を受けたら、一瞬信じてしまいそうな写真が、Twitterなどで話題だ。
何回見てもフェルメールっぽく撮れた…という感想が出てくる木魚 pic.twitter.com/8HawP31pQt
— 江川仮名子◎2/12コミティアJ01a (@karmax00) 2017年1月26日
「江川仮名子」氏が京都府宇治市の寺で目撃し、iPhoneで写真に収めた一枚だそう。最近の機種が搭載するカメラの性能や、それを使いこなす人のさまざまな工夫、感性には目を見張るばかりだ。
今更なんですけどこのフェルメールな木魚を目撃したのは京都・宇治の興聖寺さんですぞ
— 江川仮名子◎2/12コミティアJ01a (@karmax00) 2017年1月26日
いいお寺さんなので是非~ pic.twitter.com/esP0lYn2cZ
写真をあらためてじっくり眺めると、向かって左手の窓から差し込む淡い光、濃い陰影に浮かび上がる静物としての木魚、といったすべてがフェルメールの作風をほうふつとさせる。
Twitter上では「リュートを調弦する女」に似ているとか、「牛乳を注ぐ女」に似ているとか色々と感想が付いている。


ほかに思いつく同じような構図の作品としては「兵士と笑う女」「窓辺で手紙を読む女」「ヴァージナルの前に立つ女」「ぶどう酒のグラス」「手紙を書く婦人と召使い」「水差しを持つ女」などか。数え上げていくうち、向かって左手の窓から淡い光がさしこむ場面ばかり描いていたのではないかという気にさえなってくる。
一説によると、オランダにあった巨匠のアトリエは建物の2階で北側に窓が付いており、あまり強い日ざしは入らず、加えて緯度の高さもあって穏やかな光だったとか。そこで描いた作品はある程度共通の特徴を備えているのかもしれない。
しかしこの木魚、やはり何度見ても本当にフェルメール風。とても静かで美しいたたずまいだ。