
ニキシー管は1950年代から、初期の電卓を含む多くの機器の数字表示装置として使用された冷陰極管。現在は大手メーカーでは製造されていないが、そのレトロな雰囲気を求めたアート作品などでの使用に対応するため、少数だが生産されている。
アニメ作品『STEINS;GATE』では劇中に「ダイバージェンスメーター」が登場したが、その表示装置として使用(?)されたのがニキシー管。この作品のヒットのため、一時期はニキシー管置時計の人気が高まるという現象も発生した。

「NIWA」はそのニキシー管を使った腕時計。1950年~80年にかけての昔懐かしいテクノロジーを、いつも身に着けていられる。

置時計タイプでは、ニキシー管としては「IN-14」が使用されるケースが多いが、これは腕時計には大きすぎる。このため、「NIWA」では「IN-16」と呼ばれる縦型ニキシー管が採用された。

腕時計が実現
「NIWA」に搭載されたのは昔懐かしいテクノロジーだけではない。最新のテクノロジーも採用されている。例えば、バッテリーはスマートフォンの普及によって実現した小型で大容量なものを採用。これは、ニキシー管全盛の時代には存在しなかったものだ。
スマートフォンの普及で小型化・進化したジャイロセンサーも搭載。利用者が手首を自分の方に傾けたときにだけ時刻を表示するようにした。

だが、傾けると

…腕毛が気になる。
これらの工夫により、「NIWA」は一回充電すれば、4~6日間続けて利用可能になっている。

「NIWA」の最大の特徴は、そのシンプルで美しいデザインにあるといってよいだろう。Appleの共同設立者の一人スティーブ・ウォズニアック氏も気に入ったというCathode Corner社の「Round Nixie Watch」もかなりイカしていたが、 「NIWA」のデザインはより洗練されているように見える。

イカしてる?
このデザインを実現するために、「NIWA」にはリューズが取り付けられてはいない。時刻などを合わせるときには、マグネットを使用する仕組みだ。

懐かしいと感じる人も多いのでは?
「NIWA」の開発チームは現在、クラウドファンディングサイトkickstarterで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では、420ドルの出資でグレイエディション、440ドルの出資でブラックエディションを入手可能だ。日本への配送にも対応しており、出荷開始は2017年6月に予定されている。
