
ここ最近、発表されるスマートウォッチは、フィットネス機能にフォーカスしたものばかり。それはそれで便利ではあるが、スマートウォッチが発表されたときのワクワク感に応えてくれているかというと、そうではない気がする。
「Gameband」はフィットネスではなく、ゲームにフォーカスしたスマートウォッチ。スマートフォンユーザーが多くの時間を費やすゲームをスマートウォッチのキラーアプリにすることで、ウェアラブルデバイスの普及を目指している。

ウェアラブルデバイス普及のきっかけになるか?
開発したのは米国シリコンバレーに本拠を置くFMTwo Game。同社は2つのゲームブランドとパートナーシップを結び、「Gameband」にミニゲームを搭載する。そのパートナーのひとつ目はアタリ。同社は「ポン」や「センティピード」などの著名なクラシックゲームを、1.63インチの小さな画面にフィットするよう書き換えて提供する。

「テラリア」もパートナーのひとつ。同ゲームの開発元はFMTwo Gameと共同で、「Gameband」専用ミニゲームを開発している。

利用者がこれらのゲームを十分に楽しめるよう、ハードウェアコンポーネントには、ウェアラブルデバイスとしてはハイエンドなものが採用された。例えば画面にはAMOLEDを採用し、優れた応答性と低消費電力を両立させている。また、プロセッサには、ウェアラブルデバイス向けとしては高速な、Qualcommの多機能スマートウォッチ向けSoC「Snapdragon Wear 2100」が採用された。

各種センサーも搭載
スマートウォッチとしては珍しくコネクタ類も充実している。microSDスロットやUSB-Cコネクタが装備されているので、拡張性もそれなりに高いといえるだろう。例えば音楽ファイルが保存されたmicroSDカードをスロットに挿入すれば、「Gameband」を音楽プレーヤーとして使用できる。「Gameband」にはスピーカーは装備されてはいないがBluetooth 4.2をサポートしているので、Bluetoothスピーカーに無線接続して音楽を楽しむことが可能だ。



USB-Cコネクタ経由でPCと接続すると、ゲームダウンロードサイト「PixelFurnace」で新たなゲームを「Gameband」に追加できる。現時点では、提供されるゲームはごくわずか。だが今後「Gameband」が普及していけば、そのエコシステムも発展を遂げるかもしれない。

一般的なAndroidスマートウォッチとしての機能も有しており、SNSの通知などを表示することももちろん可能だ。カレンダー、連絡先、音楽などの、Androidの基本アプリも使用できる。


バリエーションとしては、3つのエディションが用意される。ブラックボディのベーシックエディション、アタリのロゴが入ったアタリエディション、そしてテラリアをイメージしたテラリアエディションだ。

FMTwo Gameは現在、クラウドファンディングサイトkickstarterで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では、149ドルの出資でEarly Bird版を入手可能だ(日本への送料別途25ドル)。入手に必要な金額はキャンペーンが進むにつれて上昇し、終了後の市販価格は199ドルになる。出荷は2017年9月に予定されている。