NASAの発表したイメージ
NASAが発表した「2016 WF9」のイメージ

2月16日に巨大隕石が地球に衝突し、人類は滅亡する。そんな報道がTwitterなどで急速に拡散している。インターネット上を流れるあまたの話題の中でも、世界が崩壊する、といった内容ほど興奮を引き起こすものはないようだ。

発端はNASAが2016年に、宇宙のかなたから近づいてくる全長0.5~1kmほどの物体を発見したことにある。「2016 WF9」と名の付いたそれは、2017年2月25日ごろに地球のそばを通りすぎる見込みだ。


だが英国のゴシップ紙「Daily Mail」は、ちょっとひねりを加えて紹介した。NASAの発表にロシアの自称天文学者が異説を唱えたというのだ。2016 WF9は実は2017年2月16日に地球に衝突し、巨大津波を発生させる可能性があるのだと、警鐘を鳴らしている。

ハリウッド映画などで何回も観た記憶のある筋書きだが、なかなか刺激と興奮に満ちている。2月中旬になってオカルト系の話題を好む日本のニュースサイト「TOCANA(トカナ)」が目にとめて国内に紹介し、今はTwitterなどであらためて盛り上がっているらしい。

ところで震源になったDaily Mailといえば、いつも似たような、面白おかしくもいかがわしい記事を大量に載せるので名高い。まじめな雰囲気を大事にするオンライン百科事典「Wikipedia(ウィキペディア)」などでは最近、参加者らが項目を編集する際に情報の引用元として使うのを禁止すべき、という結論をまとめ、投票まで行ったが、なるほど今回の一件を見ても、むべなるかなと思わされる。