
「Chainless」は、その名前の通り、チェーンのない自転車。米国フロリダ州在住のSean Chan氏が開発した。

後輪を直接漕ぐ機構を採用
後輪に取り付けられたペダルを直接漕ぐ仕組み。これは、1880年ごろに流行した、「ペニー・ファージング」に似ている。「ペニー・ファージング」はチェーンを使用した後輪駆動自転車の登場によって姿を消したが、それが21世紀によみがえったとも言えるだろう。

変速機がないため、前輪を大きくして高速走行可能とした
「ペニー・ファージング」では、ペダル一踏みで前進できる距離が、車輪の直径に比例していた。このため、速度を上げるには車輪の直径を大きくするしかなかった。
だが「Chainless」では、ペダルの取り付けられた後輪には変速機が取り付けられており、「ペニー・ファージング」のように巨大な車輪がなくても、高速走行が可能になっている。「ペニー・ファージング」の苦手な登坂も可能だ。

チェーンがないことを活かし、後輪の向きを前輪同様に自由に変更可能とした。通常は一般的な自転車同様、後輪の向きは固定されている。だがレバー操作で後輪の向きを変えられる「RTSモード」に変更可能。このモードは一般的な自転車以上に小回りが得意で、狭い場所でのUターンなどができるようになる。

チェーンがないため、チェーンへの注油などのメンテナンスが楽になった。また、段差を超えるときに衝撃でチェーンが外れるということもない。ズボンのすそがチェーンの油で汚れる心配もないだろう。これらの特性から、通勤用の自転車にぴったりと考えられる。

チェーンがないため、サドルは後輪上に取り付けられる構造となった。このサドル位置では、人によっては特殊なライディングポジションに適応しにくいかもしれない。これに対応するために、サドルには前後にスライドする機構が取り付けられた。


サイズは20インチ、24インチ、26インチの3種類。カラーはマットブラック、ガンメタリック、カーボンファイバー風などから選択できる。

当面は米国のみでの販売を予定。米国での予定価格は999ドル程度となる見込み。日本市場への参入についてSean Chanさんに問い合わせたところ、日本のサイクルコミュニティからの強い要望があれば、十分にありうるとの回答を得た。購入したいと思う方は、ChinlessのWebサイトから要望を送ってみても良いかもしれない。
