ほのかに光る照明の中を魚が泳ぐ「ランプ水槽」が美しい。水槽クリエイター加藤水槽氏の作品だ。
嵐の中でも消えにくい照明として、北海道の馬小屋などで使う「ハリケーンランプ」をもとにしたもの。もともとガラスを支える左右の柱が中空になっていて上部と下部をつなげており、空気を循環させて内部の火を安定させる構造になっている。そこに空気を送り込める管を通し、魚や植物が育つ水槽にした。
ブログには工作好きの人のために改造の手順も載っている。まず使わなくなった古いランプをいったんばらばらに解体し、防水性のあるアクリルやシリコンを組み込む。さらに、さびが生じないよう金属部分に樹脂を塗りつけFRP(繊維強化プラスチック)防水も施している。
見た目は古風だが、21世紀の化学製品をふんだんに生かしているところが面白い。
さらに光源にはLEDを採用。発熱の少ない明かりを水槽を照らせるのに使えるのも、現代ならではの利点だ。シャープ製の銭形モデルだそう。ランプの上部のフタ状の部分に取り付けてあり、ひっぱればすぐ外せる。魚や植物を入れ替えるのも簡単そうだ。
濾過(ろか)は底面のエアリフト式で、二酸化炭素(CO2)の添加もできるそう。2016年3月に公開となり、Twitterなどで大いに話題を呼んだので、見覚えのある人も少なくないだろう。
その後も中国・上海の古いランプや、丸い宙づりランプなどを改造した水槽など、あれこれ面白い作品が登場している。
ランプではないが、テレビ番組に登場したiMac水槽も加藤水槽氏の作品だ。そちらは記憶に新しいという人も多いのではないだろうか。
次はどんな作品が登場するのか、ちょっと楽しみになってくる。