
アイアンマンのようなパンダが中国で人気だ。香港や本土などに相次ぎ巨大な立像があらわれては消え、話題を呼んでいる。
金属製を思わせるパワードスーツをまとい、中国拳法のような構えをとるかわいらしくも勇ましいこのパンダは、6月中旬にも中国有数の都会である上海市のショッピングモール「環球港(Global Harbor)」に登場した。

以前、香港市にあらわれた際も通称「阿潘達(アパンダ)」として、そのユーモラスな姿が日本で話題になったのだが、正体はというと実はファンタジーゲーム「太極熊猫(タイチーパンダ)」の宣伝のために作った像だ。

太極熊猫シリーズは、上海の隣、蘇州市発のゲーム会社、蝸牛(Snail)が運営しており、名前の通りパンダが主要キャラクターとして登場する。よくある西洋中世風の世界観なのだが、パンダがドラゴンを倒し、人々を救うという不思議な筋立てだ。
とはいえ米国のBlizzard Entertainmentが運営する人気ファンタジーゲーム「World of Warcraft(WoW)」でもパンダが剣と魔法の国を舞台にところ狭しと暴れ回っているので、今や空想上の種族としてパンダはエルフ、ドワーフなどと並ぶありふれた存在と言ってよいのかもしれない。

ちなみに蝸牛の公式サイトでは、アパンダの像をショッピングモールに設置し、イベントを開催し、また運び去るまでの忙しいようすを詳細に写真付きで紹介している。




クルマに載せるため、バラバラにされてしまったアパンダはちょっぴりかわいそう。しかしこれで、中国各地に忽然とあらわれる巨像の謎も解けたのではないだろうか。