Siriとドウェイン・ジョンソン

Appleは、音声アシスタント「Siri」がハリウッドのアクションスターであるDwayne Johnson(ドウェイン・ジョンソン)氏と共演する短いムービーをYouTubeで公開した。

ドウェイン・ジョンソン。「ワイルド・スピード」シリーズなどで知られる男性俳優で、逞しい肉体と強面、剛腕の演技が人気。レスラー出身で、海外プロレスのファンには「ザ・ロック」のあだ名の方が通りがよいだろうか。


そんな彼の「日常」を切り取ったのが今回のムービー。公私ともに多忙なジョンソン氏を、テレビ番組は「働きすぎてもはやこれ以上何もできないほど」と紹介。負けず嫌いの彼は「おい、なんだか挑戦されているみたいだな」と一念発起して立ち上がり、Siriの使えるiPhoneを伴に全世界を駆け巡りながら、絵画の修復やファッションショーの開催、料理、古楽器の演奏、宇宙への進出とセルフィー(自撮り)まで次々にこなしていく。

破天荒なジョンソン氏、どんな状況においても的確な情報を案内するSiriの冷静さがよいコンビだ。さりげなくライドシェアリング「Uber」の対抗馬である「Lyft」を登場させるなど、最近のトレンドに触れてくるところも、新しいもの好きの心をくすぐる。

さらに日本のアニメファンであれば、似たような筋立てとして「東のエデン」の主人公、滝沢朗と万能の音声アシスタント「ジュイス」が使えるノブレス携帯を思い出すかもしれない。

フィクションである東のエデンの放送から8年、現実にSiriが登場してから6年。今やAlexa、Googleアシスタント、Cortanaなど音声アシスタントはさまざまな企業が開発を競い、人工知能(AI)技術とも組み合わさって、次の時代を制する分野として注目を浴びる。

最近は勢いのあるライバルの影に隠れがちなSiriだが、Appleとしてはこうしたムービーを通じてあらためて存在感を示し、愛すべきキャラクターにより親しんでもらおうという考えかもしれない。